日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「したいときにスルーされる虚しさにもう耐えられない!」と話すのは、会社員の満智子さん(仮名・50歳)です。25年間の結婚生活、ずっとレスに悩んでいるという苦しい胸のうちをお話してくださいました。
今年は結婚25周年、銀婚式のアニバーサリーイヤーだという満智子さん。現在は、夫と大学生になる2人の息子との4人暮らし。
「長男が来年から海外留学をするから、お金が大変です」と言いながら、スマホの待ち受けにしている家族写真を見せてくれました。とても幸せに満ちた生活を送っている家族に見えますが、じつはレスが原因で、夫との離婚を真剣に考えているそう。
「ちょっと極端なんですけれど、元カレが『したくない』という考えの人だったんです」と話し始めた満智子さん。行為が嫌いな男性との過去が、どのような影響を及ぼしているというのでしょうか? 詳しく聞いてみました。
「夫と出会ったのは朝の通勤のバス。なんとなく毎日顔を見る人という程度の関係だったんですが、ある日の朝、駅に着いたら突然『一目惚れしました』と言われて、そこからつき合うことに。交際中はかろうじて週に1回はあった感じ。もうそのころからだいぶ怪しかったんですが、元カレがとにかくゼロの人だったから、それに比べればよっぽどマシって思ってしまいました」
え? でもお子さん2人いますよね? と聞いてみると、「そのときだけがんばったからすんなりできて、あとはほぼ皆無なんです」と明るく答える満智子さん。25年という歳月のせいで、レスの状態に慣れすぎてしまったのだそう。
夫と話し合いをしたことはあるのですか? と聞いてみると「何度も! そのたびに向こうはヘソを曲げています」といいます。夫はこの話題になると、ひたすら黙り込んでしまうそうで…。
「20代の若かったときは、今よりもっと深刻でした。夫にも直接『性欲どうこうじゃなくて、愛情表現の問題。しないってことは愛がないの?』ってガチギレしたことが何度も。そういうときはたいてい寝室に来ないで、夫はひとりリビングのソファで寝ていました。話し合いをしたくても、そういう態度。もうそれ以上言えなかったです」
けれど、気まずい空気は、数日後にはいつも解消されていました。すぐに仲直りできたコツについても聞いてみました。
「私が怒って無視をしていると、仕事帰りに夫がケーキを買ってくるんです。子どもが寝静まった後に、二人でお茶をしながらなんとなく仲直り。で、またレスになって私が爆発する。その繰り返し。けれど数年前に、ESSEonlineのレスの記事を読んだらしいんですよ。それをきっかけに夫から『レスについて調べた。そしたらこんなに女性を悩ませてしまっているものだったんだね。申し訳なかった』って謝ってきて。これでやり直せるかも! ってちょっと期待したんですが、そのあと1、2回はあって、すぐまたなくなりました。あの言葉はなんだったんだ! ってズッコケそうでした」
長男は現在21歳、次男が19歳。2人が独立して、家を出ていったら、夫と二人きり。そこでなにか変化を期待して裏ぎられるくらいならば、早々に離婚したほうがいいのかも…とも真剣に考え始めた矢先、夫婦生活に小さな変化が生まれたといいます。
「仲直りしたときにちょっとだけレスは解消するけれど、夫はあわよくば逃れたい、面倒くさいっていうのが本音。話し合いも無駄。そこの価値観の違いを受け入れて人生を終えていくくらいなら、もう離婚して第二の人生をスタートさせたいって考え始めたんです。年収も私の方が上だし、経済的に困ることはないなって。だけど、今年の年明けから月1で夫婦生活が復活したんです」
お子さんも大きくなられて、ご夫婦の時間がつくれるようになったのはいいことじゃないですか! と話すも、「そうじゃないと思う」と満智子さんは否定的です。その理由は、夫が毎月する日を勝手に決めてスケジュールに入れていることに気がついてしまったからでした。
「じつは昨年も、レスのことで私が一度、大爆発しちゃったんです。そのあと、離婚をきり出す前に、ちゃんと自分の気持ちは伝えておこうと思って、夫に手紙を書いたんですよ。私はあなたと築いた歴史を大事にしている。だれでもいいわけじゃない。月に1度でもいいから、スキンシップをして愛を感じたい。そんな感じの内容だったと思うんです。そしたらそれを読んだ夫はたぶん『あ! 月1ですれば怒らないのか!』って解釈したっぽくて、グーグルのカレンダーに毎月決まった日に印をつけていて、その日に誘ってくるようになってしまいました」
すごく前向きな進展ですね! と話すも、満智子さんは「いやいやいや、そんな義務的にされるのは全然違います。カレンダーの印も私にバレてるし!」と爆笑。
純粋に、大好きでしょうがないから求められたかったという満智子さんですが、現実は、忘れないようにカレンダーに登録しておいて義務的にすませられるという状況。ここを夫にハッキリ指摘するかどうか、とても悩んでいるといいます。
「これからも夫といるならば、本音でぶつかって話したほうがいいのかもしれませんね。でも、最近、もう離婚するなら、言わないでもいいかなって…。この話題を夫にするのも疲れた…。できる限り、歩み寄り続けてきたけれど、25年っていう年月がいろんな意味で重たいです。最終的にカレンダーに登録してまで気持ちもないままに行為をされてもうれしくない。こじれる前に、サヨナラしようかな…。表向きはレスが解消したように見えるし、夫は本気でそう思っているんだろうけれど、私の中ではお別れのきっかけになってしまった気がしています」