コーヒーを飲む時は「ホット」「アイス」のどっち?季節に合わせて変える人も多いと思うが、20代の過半数が年間を通して「ホットコーヒーよりアイスコーヒーを飲むことが多い」ことが分かった。
UCC上島珈琲株式会社が4月26日~5月1日に実施した「アイスコーヒーに関する実態調査」で明らかになった。東京・神奈川・埼玉・千葉の「関東圏」と大阪・京都・兵庫の「関西圏」に住む、20~60代の男女600人に対し、インターネットで行った。
この中で、「年間を通してホットコーヒーとアイスコーヒーどちらを飲むことが多いか?」という質問に対し、全体の約4割(37%)が“アイス派”(どちらかというとアイスコーヒーの方が多い/アイスコーヒーの方が多いの合計)と回答。年代別に見てみると、20代は51.7%と過半数が“アイス派”と答えている。一方で、60代は“ホット派”(77.5%)が多く、そして50代(67.5%)、40代(62.5%)、30代(59.2%)と、若い年代になるほど“ホット派”の割合は少なくなっていった。
そして「普段から飲んでいるコーヒーについて」の質問では、ホットコーヒーは「自分でいれる」と答えた人が61.4%と過半数を占める結果に。一方でアイスコーヒーは「自分でいれる」人は32.3%と、ホットの約半分にとどまった。アイスコーヒーは自分でいれるよりも既製品やコーヒーマシン、カフェで楽しむことが多いようだ。
なお、「アイスコーヒーを自分でいれない理由」としては、1位が「面倒に感じる」(47.5%)、2位が「いれ方がわからない」(34.8%)となっている。他にも「器具を持っていない」「ちょうどよい粉やお湯の量がわからない」「おいしくいれられない」などの声があり、アイスコーヒーをいれることに不安や不満がある人が多いようだった。
また好きなアイスコーヒーの飲み方において、関東と関西では地域差が見られた。関東は「ブラックで飲む人」が48%であったのに対し、関西では38.7%。関東の方がブラックを好む人が多かった。
若い人ほど年間を通じて「アイスコーヒーを飲むことが多い」という結果だったが、どのような理由が考えられるのか?UCC上島珈琲のマーケティング担当者に話を聞いてみた。ーーなぜ「アイスコーヒーに関する実態調査」を行った?暑くなりアイスコーヒーを飲みたくなる季節を前に、コーヒー、特にアイスコーヒーの飲用実態を明らかにしたく、調査を実施しました。ーー年間を通じて全体の4割が「アイスコーヒー」を飲むのはなぜ?理由は2つ考えられると思います。1つ目は秋冬の寒い日でもお部屋は暖かく、乾燥もしているため、冷たいものを習慣的に飲まれる方は一定数いらっしゃると考えます。2つ目は味覚の嗜好(しこう)によるものかと思います。アイスのほうがホットよりもすっきり飲みやすく、その味わいがホットよりも好みという方は一年を通じ、アイスを飲用されていると考えます。
ーー若い年代ほどアイスコーヒーを飲むことが多いようだが、その理由は?若い方たちは家でコーヒーを淹れる方よりも、コンビニエンスストアのペットボトル等で、手軽にコーヒーを楽しまれている方が多いかと思います。そのため若い方のほうがアイスコーヒーを飲む機会が多いのではと考えます。また、こちらも仮説になりますが、若い方たちの中には、コーヒーの苦みが少し苦手と感じる方もいるようです。アイスコーヒーはホットコーヒーに比べて苦みの感じ方が穏やかなので、飲みやすいと感じ、好んで飲まれている方がいらっしゃるのかと思います。ーー今後アイスコーヒーを飲む人が多くなると考えられる?コーヒー全般、飲用される方は増加すると考えます。アイスコーヒーの味わいの幅も近年広がりを見せており、嗜好(しこう)の多様性という点からもアイスコーヒー飲用者は増加すると考えます。また、お家で気軽にアイスコーヒーを作ることができるということを知っていただくことで、飲用機会は増加するものと思われます。
ーー改めて全体の4割、そして20代は過半数が「ホットよりアイスコーヒーを飲んでいる」という結果をどう受け止めているの?アイスコーヒーはふた、栓をあけてすぐに飲める製品が多く、美味しく手軽に飲めることが魅力になっていると思います。そのため、自分で淹れるという習慣が定着していないため、そもそも作り方を調べたりされる方が少ないものと考えます。また、レギュラーコーヒーの製品はホット用のレシピは記載されていても、アイス用のレシピの記載がないものが多く、そういったことから「面倒そうだな」や「淹れ方がわからない」という回答につながったのかと思います。おいしいアイスコーヒーを手軽に楽しんでいただける手段として、もっとアイスレギュラーコーヒーについて味わい、淹れ方の啓発を行っていきたいと思います。ーーつまり、アイスコーヒーを手軽で簡単にいれる方法があれば、自分でいれる人が増え、よりアイス派が増える?はい。お家で手軽においしいアイスコーヒーを作れることをご理解いただければ、自分で淹れる方は増えると思われます。市場構成比がホットコーヒーをすぐに超えることはないと思いますが、年齢別ではアイスコーヒーのほうが多い層もいずれ出てくる可能性はあると考えます。
ーーちなみに、なぜ好きなアイスコーヒーの飲み方で地域差が出たの?コーヒーに限らず、食や生活にもそれぞれの地域で根付いている文化があり、それにより地域差が生じるのかと想像します。この度に調査結果からすると、コーヒーに関しては、そこまで大きな違いがなかったと見ています。ご自分の好きなスタイルや味わいで、これからもコーヒーを楽しんでいただきたいと思います。ーー今回の調査から、人々の中の“アイスコーヒー”とはどのような存在だと捉えた?止渇(喉や口の渇きを抑えること)のために飲むだけではなく、それぞれの嗜好(しこう)やスタイルに合わせて楽しんでいらっしゃると考えます。コーヒーの市場も成長しており、アイスコーヒーに関しても、味わいや飲み方の幅も広がっています。深炒りのビターな味わいが好きな方、浅炒りの爽やかな味わいが好きな方、生産地による味わいの違いを楽しむ方…それぞれに好きな味わいを見つけ、日々の生活に欠かせない存在になってきていれば嬉しく思います。
さまざまな種類があるコーヒー。ホットでもアイスでも、自分の口にあった味わいを好きなスタイルで楽しんでほしい。