札幌・すすきののホテルで男性が殺害され、頭部が持ち去られた事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、母親の初公判が開かれました。裁判では、娘から「私は奴隷です」と誓約書を書かされるなど、いびつな親子関係が明らかになりました。4日、北海道・札幌地裁の前に傍聴券を求める人の列ができたのは、世間を震撼(しんかん)させた事件の裁判。傍聴希望者「普通は親子でそういうことって、ちょっと考えられないので」

傍聴希望者 「家庭内の娘との上下関係があったのかとか一番知りたいので」男性が殺害され、頭部を持ち去られた事件で逮捕・起訴された田村瑠奈被告と、両親の親子3人。このうち、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われている母親の浩子被告の初公判が、4日に行われました。起訴内容に間違いがないか問われると、涙ながらに起訴内容を否認しました。母・浩子被告(61) 「違うと思う点がいくつかある」「手助けするつもりはまったくなかった」去年7月、札幌の歓楽街・すすきののホテルで、頭部がない男性の遺体が発見された事件。62歳の男性を殺害して首を切断し、頭部を持ち去るなどしたとされるのが、男性と何らかのトラブルがあったとみられる娘の瑠奈被告です。事件前の去年5月、すすきののダンスクラブで撮影された映像には、被害男性と瑠奈被告の姿がありました。体を寄せ合い、楽しそうに話していた2人。さらに、少し離れたところには、2人の様子をじっと見つめる精神科医で父親の修被告の姿もありました。修被告は瑠奈被告から「ドライバーさん」と呼ばれ、送迎役だったとみられています。持ち去られた男性の頭部は、親子の自宅の2階浴室から一部、腐敗した状態で見つかったということです。 ◇親子3人の“関係”とは…瑠奈被告の知人「瑠奈の言うことが絶対。過保護というか」近所の人「びっくりしました。(浩子被告は)そういう方じゃないし」浩子被告は当初、警察の調べに対し「娘の犯行を止めたかったが、止められなかった」としていました。4日の初公判で、用意したメモを見ながら起訴内容を否認した浩子被告。まず、“男性の頭部を自宅に隠す”ことを容認したかについては…田村浩子被告(61)「容認は違います。自宅に頭部があることを知った時には、すでに浴室にあった。良いとも悪いとも言えない状況でした」また、頭部を損壊する様子をビデオ撮影するよう瑠奈被告が浩子被告に依頼し、浩子被告が修被告に依頼して撮影させたとされる点については…田村浩子被告(61)「ビデオ撮影を求められたが、何を撮影するかは知らず、助けを求めるつもりで夫に依頼した。容認していない。とても耐えられない状況だった」…涙ながらに訴えました。そのうえで、弁護側は「警察に通報したり娘を出頭させたりしなかったものの、頭部が自宅にあると知っていることをもって、ほう助とは言えない」(冒頭陳述より)などと、無罪を主張。一方、検察側は「事件前に瑠奈被告が被害男性から性的トラブルを受け、殺意を募らせていたことを認識していた」(冒頭陳述より)として、浩子被告は娘の犯行を容認していたと主張。さらに、浩子被告と瑠奈被告のいびつな親子関係も明らかになりました。検察側の冒頭陳述によると、浩子被告が瑠奈被告に書かされたという誓約書には、次のような言葉がありました。「お嬢さん(瑠奈被告)の時間を無駄にするな。私は奴れいです。奴隷の立場をわきまえて無駄なガソリン、お金を使うな」これをテレビ画面など目立つところに掲示。娘を「お嬢さん」と呼ぶ「瑠奈ファースト」の親子関係が形成されていたと指摘しました。母親の行動が“ほう助”に当たるのかが争点の裁判。次回は7月1日に開かれる予定です。(6月4日放送『news zero』より)
札幌・すすきののホテルで男性が殺害され、頭部が持ち去られた事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、母親の初公判が開かれました。裁判では、娘から「私は奴隷です」と誓約書を書かされるなど、いびつな親子関係が明らかになりました。
4日、北海道・札幌地裁の前に傍聴券を求める人の列ができたのは、世間を震撼(しんかん)させた事件の裁判。
傍聴希望者「普通は親子でそういうことって、ちょっと考えられないので」
傍聴希望者 「家庭内の娘との上下関係があったのかとか一番知りたいので」
男性が殺害され、頭部を持ち去られた事件で逮捕・起訴された田村瑠奈被告と、両親の親子3人。このうち、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われている母親の浩子被告の初公判が、4日に行われました。
起訴内容に間違いがないか問われると、涙ながらに起訴内容を否認しました。
母・浩子被告(61) 「違うと思う点がいくつかある」「手助けするつもりはまったくなかった」
去年7月、札幌の歓楽街・すすきののホテルで、頭部がない男性の遺体が発見された事件。62歳の男性を殺害して首を切断し、頭部を持ち去るなどしたとされるのが、男性と何らかのトラブルがあったとみられる娘の瑠奈被告です。
事件前の去年5月、すすきののダンスクラブで撮影された映像には、被害男性と瑠奈被告の姿がありました。体を寄せ合い、楽しそうに話していた2人。さらに、少し離れたところには、2人の様子をじっと見つめる精神科医で父親の修被告の姿もありました。
修被告は瑠奈被告から「ドライバーさん」と呼ばれ、送迎役だったとみられています。
持ち去られた男性の頭部は、親子の自宅の2階浴室から一部、腐敗した状態で見つかったということです。

親子3人の“関係”とは…
瑠奈被告の知人「瑠奈の言うことが絶対。過保護というか」
近所の人「びっくりしました。(浩子被告は)そういう方じゃないし」
浩子被告は当初、警察の調べに対し「娘の犯行を止めたかったが、止められなかった」としていました。
4日の初公判で、用意したメモを見ながら起訴内容を否認した浩子被告。まず、“男性の頭部を自宅に隠す”ことを容認したかについては…
田村浩子被告(61)「容認は違います。自宅に頭部があることを知った時には、すでに浴室にあった。良いとも悪いとも言えない状況でした」
また、頭部を損壊する様子をビデオ撮影するよう瑠奈被告が浩子被告に依頼し、浩子被告が修被告に依頼して撮影させたとされる点については…
田村浩子被告(61)「ビデオ撮影を求められたが、何を撮影するかは知らず、助けを求めるつもりで夫に依頼した。容認していない。とても耐えられない状況だった」
…涙ながらに訴えました。
そのうえで、弁護側は「警察に通報したり娘を出頭させたりしなかったものの、頭部が自宅にあると知っていることをもって、ほう助とは言えない」(冒頭陳述より)などと、無罪を主張。
一方、検察側は「事件前に瑠奈被告が被害男性から性的トラブルを受け、殺意を募らせていたことを認識していた」(冒頭陳述より)として、浩子被告は娘の犯行を容認していたと主張。
さらに、浩子被告と瑠奈被告のいびつな親子関係も明らかになりました。
検察側の冒頭陳述によると、浩子被告が瑠奈被告に書かされたという誓約書には、次のような言葉がありました。
「お嬢さん(瑠奈被告)の時間を無駄にするな。私は奴れいです。奴隷の立場をわきまえて無駄なガソリン、お金を使うな」
これをテレビ画面など目立つところに掲示。娘を「お嬢さん」と呼ぶ「瑠奈ファースト」の親子関係が形成されていたと指摘しました。
母親の行動が“ほう助”に当たるのかが争点の裁判。次回は7月1日に開かれる予定です。