さまざまな事情を抱えた人たちが利用するラブホテル。一般的には、ドキドキ、ワクワクしながら、ときにはソワソワと向かう場所だ。
実家がラブホ街にあり、学生時代はラブホで清掃員のアルバイトをしていた前田裕子さん(仮名・20代)。今回は、働きはじめた頃に驚いた備品の裏話や、世間が思っているラブホのイメージと実際のギャップを教えてくれた。

◆“実家がラブホ街”で良かったことは…

前田さんは大人になってからラブホ街に暮らしていることを会話のネタにしており、「意外とコミュニケーションにもつながる」という。老若男女を問わず、ラブホの話は盛り上がるそうだ。

「え? あの辺りに住んでんの?」
「あそこ……人が住めるの?」

ラブホ街に住んでいると高確率でこのように返される。ひどい言われようだが「完全に慣れてしまっている」と前田さんは話す。普段は治安や下ネタについての話が多いのだが、周囲が、「ラブホ街についてどんなイメージを持っているのか」が気になり、前田さんから聞いてみることもあるという。

「不思議と『Aホテルがおすすめ』という話は出てきません。すべてのラブホを知っているわけではないので、いちばん聞いてみたいことなんですけどね」

そのなかで特に印象深かったエピソードを教えてくれた。

◆まわりから見ると“イケナイ場所”

「管轄の警察署や交番などに直接つながる連絡先一覧があります。また、個人的に“ラブホっぽい”と思ったのは、全国の指名手配者のポスターですかね。交番の掲示板に貼られているアレです」

ラブホのカウンター下にも貼ってあったそうだ。

「残念ながら私は、『この顔にピンときたら110番』のようなことには遭遇はしていませんが、たまに警察官が巡回に来てくれました」

◆監視カメラで「部屋で行われている行為は見れるのか」という疑問