今年5月、27店舗のフランチャイズ運営を行う「スカイスクレイパー」(群馬県太田市)の社長に、22歳のアルバイト店員、諸沢莉乃さんが抜擢されたことが大きな話題になった。
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同社の主力事業「カレーハウスCoCo壱番屋」はコロナ禍を経て、業績が好調に推移している。親会社の壱番屋の2024年2月期は売上高がおよそ551億円、営業利益がおよそ47億円と、それぞれ前年比で14.2%、30.5%と2ケタの増収増益に。
ココイチは、最近のインフレに歩調を合わせるように値上げが実施され、メニューが高価格化しつつある。3月には、卵のメニューやトッピングの価格が改定されたばかり。そのため、ココイチはもはや気軽に入れるチェーン店でないという声がある一方で、値上げしてもファン離れが起きていないことが業績からもわかる。ココイチの根強い人気はどこにあるのか。
「ノーマルのポークカレーは570円で食べられますが、これだけを注文する人がほとんどいないように、ココイチといえばトッピングを楽しむ人が多いことで知られています。1食1000円を超えることが珍しくないですが、ドロッとしていないカレーとともに自分好みにカスタマイズしたトッピングを楽しむファンが少なくなく、ココイチにはラーメン二郎のような独自性があります」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏)
お値打ち感はないものの、昨今のインフレでココイチの割高感は薄まっているとのこと。
「どのチェーン店も値上げを余儀なくされているのが、ココイチにとって追い風になっています。多くのファンがココイチを支持する一方、『値段の割においしいと思わない』といったネガティブな声も聞こえてきます」(渡辺広明氏)
このところの円安や物価上昇が、日常のプチ贅沢需要を喚起している点も大きいという。
「今や1ドル=155円を超え、容易に海外旅行ができない上にインバウンドでホテル価格が高騰し、国内旅行もままなりません。大それた贅沢はできないけど、たまにコンビニのちょっと高いスイーツやおにぎりを買うように、庶民のプチ贅沢需要にココイチのカレーもマッチしています」(渡辺広明氏)
ココイチがせめてもの贅沢になっているようだ。