鹿児島市の認定こども園で園児が切りつけられた事件で新たな動きです。
男児を切りつけたとして今月8日に逮捕された保育士の女が、28日、別の園児の顔を家具に打ちつけた疑いで再逮捕されました。
傷害の疑いで再逮捕されたのは、南九州市知覧町の保育士・笹山なつき容疑者(21)です。
鹿児島南警察署によりますと、笹山容疑者は今月3日の午前、勤務先の認定こども園で、女の子の顔を家具に打ちつけ、およそ1週間のけがをさせた疑いです。今月10日に園児の保護者から「園で娘がけがをさせられた」と警察に被害の連絡があったということです。
警察の調べに対し、笹山容疑者は「けがを負わせたことに間違いはありません」と容疑を認めているということです。
警察や起訴状などによりますと、笹山容疑者は勤め先の鹿児島市の認定こども園で2歳の男の子の首をカッターナイフで切りつけた疑いで今月8日に逮捕・送検され、鹿児島地検は28日、殺人未遂の罪で起訴しました。
逮捕当時、警察の調べに殺意を否認していましたが、鹿児島地検は起訴内容を認めているかは明らかにしていません。
これまでの笹山容疑者の弁護人への取材で、当時、笹山容疑者は刃の長さ3センチほどの私物のカッターナイフを凶器として使ったとみられることが分かっています。
さらに弁護人に対し、「仕事や人間関係でいっぱいいっぱいになっていた時に、子どもとの関係が思い通りにならず、感情が高ぶって思わず手が出てしまった」と話していたということです。
笹山容疑者のものとみられるSNSには事件前「全部うまくいかなくて、向いてないのかなって嫌になった」など、仕事への不安をうかがわせる投稿が見られました。
園の代理人弁護士によりますと、笹山容疑者がクラスを受け持った今年4月以降、複数の園児がすり傷や切り傷を負うケースがあったということです。
こども園は28日、笹山容疑者について、懲戒解雇の手続きを進めていると明らかにしました。
園は「園児、保護者が安心して通えるよう、職員一同力を尽くしたい。今後、司法の場において、真相が解明されることを願う」とコメントしています。
こども園では今年4月以降、別の複数の園児がけがをするケースが複数起きていて、園は弁護士や医師ら7人で調査委員会を立ち上げ、原因究明などを進めています。