福島県に住む30代後半の女性(サービス・販売・外食/年収100万円)は、8年前にマッチングアプリを使用して怖い思いをしたことがある。
当時女性には恋人がいたが、興味本位で登録。始めはメッセージのやり取りだけだったが、「年収600万円、暇な時間は一日中で、個人でフリーの仕事をしている」というプロフィールの男性に「一度会ってみない?」と誘われた。
話が弾み「会ってみてもいいかな?」という気持ちになっていた女性が、そうメッセージを返したところ、
「相手は私が会いたいんだと勘違い。なんと、そのメッセージを送ったその日に私の職場まで来て私が終わるまで店の近くで待ち伏せをしたようなのです」
と思いがけない事態になった。(文:國伊レン)

仕事が終わり、車に乗ろうと駐車場を歩いていた女性。後ろから誰かがついてくる気配を感じ、慌てて車に乗り込んでドアロックをかけた。すると
「すぐさま運転席のドアをガチャガチャされ『俺だよ!会いたいって言うから会いに来たよ!』と言われ、マッチングアプリの人だと確信しました」
女性は自分が身バレしたのは「マッチングアプリのプロフィールを自分の乗っている車の画像にしていたから」だと綴っているが、このときはそれどころではなかっただろう。
「私が恐怖心から固まっていると、男は車の後ろに立ってバックできないようにしているので、マッチングアプリから『会ってみてもいいかな?とは送りましたけど会う約束はしてませんよね?』と送りました。すると逆上して『おい!降りろ!』と助手席ドアを今度はガチャガチャしてきたのです」
恐怖に駆られた女性は、隙を見つけて逃げるように家に帰ったという。しかし、男はその場をすぐには離れなかった。
「その男は帰ることなく、私の職場に入っていって私の名前を出して支離滅裂なことを叫んでいたそうです」
男は、事前に店に入って女性のネームプレートを確認していた。「若い従業員は私だけで他は年齢が上の人たちだったのですぐわかった」らしく、名指しでこれまでの事を好き勝手に叫んだようだ。
「店長からの電話でそれらを聞かされ、私は問題行動を起こしたとのことで事実上クビになり、男からは『謝れ!』『謝るのが筋だろ!』と、かなりしつこくメッセージが来ていました」
これでクビになるのは理不尽極まりないが、女性も当時は動揺して抗議する余裕がなかったのだろう。店長から「あなたがその気にさせたのだから…」と言われ、「もう関わりたくなかったですが、元はと言えば自分のまいた種」と思い直した。男が店長に伝えていった電話番号のメモから謝罪の電話を入れた。
電話口で誠心誠意謝っても、男は怒りが収まらずにキレ続けた。しかし、女性が「仕事はクビになりました」と伝えると、溜飲が下がったのか「あっそ(笑)良かったね(笑)」と言われ、あっさり電話を切られたという。
「男はフリーの仕事をしていたのではなく、精神疾患があり無職で、失うものが何も無い無敵の人だったみたいです。あんなに怖い思いをしたのだから、二度とマッチングアプリはやっていませんし、個人情報は簡単に人に教えたらいけないと改めて反省しました」
「無敵の人」とは、失うものが何も無いため、躊躇なく犯罪や迷惑行為を行う人を指して使われるスラングである。投稿者の女性は職場だけでなく恋人という「失うかもしれないもの」が既にあった。そもそもマッチングアプリを使うこと自体に慎重になった方がよかったのではないか。
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