小林製薬(大阪市)の紅こうじ入りサプリメントの健康被害問題を巡り、大阪市は26日に開いた対策本部会議で、回収対象となっている「紅麹(こうじ)コレステヘルプ」など3製品を摂取して健康被害を訴えた約300人を抽出して調べたところ、7割が女性で、対象者の約半数に基礎疾患があったとの結果を報告した。
【図解】小林製薬の紅麹サプリ健康被害、何が起きたの?
12日までに市などが調査を終えた人のうち医療機関を受診した人から抽出した。年齢別では40~70代が9割を占め、うち50代が4割、60代が3割だった。対象者の約半数に高血圧症や脂質異常症などの基礎疾患が認められた。症状は倦怠(けんたい)感が最も多かったが、食欲不振や浮腫など多岐にわたり、入院を伴わない軽度の人が約7割に上った。摂取開始から発症までの期間の中央値は5カ月だった。
また、大阪健康安全基盤研究所の検査で、健康被害を訴えた人が摂取した製品の残りから、プベルル酸とみられる物質が検出されたことも明らかにされた。
市が同社に回収を命じた3製品計約103万個のうち、25日時点で回収できたのは約8万6000個で、全体の約8%にとどまった。既に消費された数も含めて把握が難しく、回収終了のめどは立っていないという。【長沼辰哉、鈴木拓也、藤河匠】