〈「ちょっと俯いてみろ」と胸元を…セクハラ疑惑を否定し続ける岐阜県岐南町長に決定的「証拠音声」〉から続く
職員への度重なるセクハラ・パワハラ行為がきっかけで辞職することになった岐阜県岐南町の小島英雄町長(74)。2月27日、同町が設置した「岐南町ハラスメント事案に関する第三者調査委員会」から「調査報告書」が出され、小島町長の行った99のセクハラや日常的なパワハラが認定された。
【写真】「いやらしいもんでさあ…」99のセクハラ・パワハラを認定された岐阜県・岐南町長(73)
小島町長は29日に辞職届を提出。3月1日に町議会で同意され、5日付で町長を辞職することとなった。

報告書によれば、職員に対する〈あなた自身が不快に感じるようなことを、町長小島英雄氏からされたことがありますか?〉との問いには、男性53.7%、女性58.0%が「はい」と回答。
岐南町役場
また、〈あなたからみて、あなた以外の町職員(管理職も含みます。)が、町長小島英雄氏からセクハラあるいはパワハラに当たるような行為を受けていると感じたことは、ありますか?〉という問いには、実に男性85.0%、女性81.4%が「はい」という答えだった。そして、報告書はこう断じるのだった。
〈『即時の辞職』以外の選択肢はない〉
小島町長の職員へのセクハラ・パワハラ行為が明るみに出るきっかけとなったのは、昨年5月の「週刊文春電子版」の報道だ。
〈女性職員の頭をポンポンと撫でる〉〈ネイルを触る〉〈抱きつく〉〈髪を触る〉〈ネックレスを触る〉〈尻を触る〉〈密室である町長室で職員に後ろを向くように指示し、下着が透けていると指摘する〉〈胸元が開いている服装の職員に屈むように指示し覗く〉〈「マスクを取って顔を見せてみろ」と指示し、「(職員が下げている名札の)写真よりいい」と発言する〉–。

令和の時代に俄かに信じがたい小島町長の言動を、複数の告発者の証言と共に報じたのである。
あれから約9カ月。小島町長は職を辞することとなった。
「週刊文春」の記者はこの記事を取材するにあたり、昨年5月に小島町長を直撃している。その際に発せられたのは、仰天するような言い訳の数々だった。
小島町長は当時、席に着くなり、まず両腕を見せながら、こう切り出していた。
「血栓で突然死する可能性もあるんやで。これ見てわかりますように、手が太なってしまい過ぎで、働き過ぎで。これあの、(左右の)色が変わっとるやろ。医者も気を付けてくださいって言って」
そして、数々のセクハラ行為について“持論”を展開したのだった。
–女性職員の頭を撫でている件について。
「それは、僕は子どもも撫でるけど、頑張ったねって撫でるやん。『よく頑張ってくれたねえ』って。だからイヤって言ったら、二度と触らないですよ。イヤって言った人は」
–職員の尻も触った。
「誰がぁ? 一人は、どけって言って触った。通ろうと思ったらグッと前にあったもんで、『何、この尻は、どけ』って言って。そういうのはあるよ」

–職員の胸元を覗いたことも。
「覗いてるわけねえじゃねえのぉ。どうやって覗いたっていうの」
–胸元の開いている服を着ている職員に、屈んでみろと。
「(職員の服装が)いやらしいもんでさあ、だから一緒になってこうやって(屈むような姿勢を見せて)やってるもんで。そのことを取り上げるのはやめてくれ。そういう服を着てくるなって職員には言っとるの。『屈むとわかるで、自分で見てみい』って」

その後、「週刊文春」は小島氏のセクハラ問題について、5月18日配信の記事と6月16日配信の記事で2度にわたり詳報。だがその後、岐南町役場庁舎では、ある“騒動”が起こっていた–。
現在、「週刊文春電子版」では、小島英雄岐南町長のセクハラ問題をスクープした記者によるレポートを配信中だ。認定されたセクハラ・パワハラ行為の詳細、直撃の際の一問一答や、報道後の“怪文書”騒動などについて詳しく報じる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)