これらは、岸田文雄首相と米大手IT企業Metaのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が2月27日に面会した報道を受けて、SNSで飛び交ったつぶやきだ。
ザッカーバーグ氏は面会後、記者団に「テクノロジーの未来におけるAIについて生産的な会話ができた。日本で起こっている取り組みに本当に興奮している」と語ったと報じられている。
しかし、岸田首相といえば、ゴリ押しを続けているにもかかわらず、数々の問題や不具合から昨年12月には利用率が4.3%まで落ち込んだマイナ保険証に象徴されるように、日本では「IT音痴」と評する声が多い。しかも、同日の首相動静を見ると、面会は30分強という短時間のもの。IT音痴首相が30分で語り合えるAIの話っていったい……というツッコミが起こるのも無理のない話だろう。
なかには来日の目的を訝しむ声もあったほどだが、当の本人は殊の外、日本を満喫していた。
面会前の2月25日には刀鍛冶の川崎晶平氏の道場を訪れ、鋼を打ち、巻藁を試し切りする動画をSNSに投稿。面会当日の2月27日には日本のマクドナルドでたまごダブルやえびフィレオ、てりやきバーガー、マックナゲット、チュロスなどを食べた上で、「Japanese McDonald’s:10/10 Give these guys a Michelin star.(日本のマクドナルドは10/10だ。この人たちにミシュランの星をあげて)」と冗談交じりに投稿し、話題となった。
これらはすでに多数のメディアで報じられている情報だが、さらにFRIDAYデジタルでは今回のザッカーバーグの真の来日目的ではないかと思われる情報を入手。面会を終えてザッカーバーグが向かったのは、北海道のニセコ町だったのだ。地元の観光業の男性A氏は言う。
「ザッカーバーグさんがニセコに来るという話は、一部報道機関やホテル関係者などの間で2月中旬から出回っていました。
あくまでお忍びなので、一般の住民たちは知りませんよ。でも、北海道新聞などは、スキーに乗って探し回ったけど、見つけられなかったと聞きます。
実際には十数人を引き連れてニセコのホテルに宿泊して、数万円の高級なコース料理や、スキーを楽しんでいたようですよ。おそらく投資などの目的で来たのだとは思いますが」
ニセコ地域(倶知安、ニセコ両町)は、全人口約2万2千人という小さな町だ。その中で外国人人口は昨年12月末時点で前年同期比72.7%増の約3700人となったという。
「10年くらい前からお忍びで来る海外のVIPが増えているので、住民にとっては『また誰か来ているみたいだよ』くらいの感じです。
海外のVIPはたいていホテルの1フロアを借り切って、接客はお忍びツアーに同行している専属の人が行います。ホテルとスキー場を往復するような過ごし方で、ラーメンや寿司を楽しむ人は多いですが、街中を歩くようなことはあまりありません。
日本人でも安倍昭恵さんやデヴィ夫人、ホリエモン(堀江貴文)、ユニクロ社長(柳井正)などはよく来ていますし、皇族や国会議員が来る場合は地元の生活レベルを知りたいということで、大型スーパーなどを視察していきますね」
ニセコHANAZONOリゾートにはルイ・ヴィトンの期間限定ストアがあり、ゴンドラもルイ・ヴィトンデザインにラッピングされている。また、パークハイアットやヒルトン、リッツ・カールトンなどの高級ホテルも多数あり、中には1泊300万円などの部屋もあるという。
日本人では一部富裕層の間でリピートされているのみで、海外VIPが群がる北海道の小さな特殊な町・ニセコでリゾートを満喫したらしいザッカーバーグ。SNSでは「ザッカーバーグが来たのは、日本政府にSNSの言論統制を指示するためではないか」「日本政府が生成AI開発を強化するとか、危険すぎる」と不安視する声も多数出ていたが、30分程度の首相との面会がおそらくニセコリゾートのオマケ程度だったのだろうと思うと、むしろホッとするような気も……。