3月4日に大正製薬が発表した国内初の内臓脂肪を減らす薬「アライ」。4月8日発売で、摂取した脂肪の約25%を便と一緒に排泄することで内臓脂肪や腹囲を減らすとされています。一方で副作用もあるということで、同じ成分の薬を飲んだ経験がある人に、その体験談を聞きました。 「アライ」は、日本人への臨床試験では、1年間の服用でお腹周りが4.73cm減少するなど効果が期待されています。購入できるのは18歳以上の成人で、腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上などの条件を満たした人で、処方箋なしで薬局で買うことができます。メタボに悩む人たちにとって夢の薬にも思えますが副作用があるそうです。

(大正製薬 宍戸正臣マーケティング本部長)「日本初、お腹が太めな方の内臓脂肪減少薬でございます。便と一緒に脂肪が出ますので、放屁(おなら)をしたときに少しその油が出てしまう」 薬を服用した後、便が油っぽくなったり、おならをすると油が漏れたりするなどの副作用が起こる可能性があるといいます。この『油漏れ』とは一体どのようなものなのでしょうか。 大阪市内の調剤薬局で勤務する薬剤師の古武幸之さん。ユーチューバーとしても活動しています。去年1月、自分が飲んでみないと正確な情報発信ができないと思い、海外で販売されている「アライ」と同容量同成分の薬を入手して試しに飲んでみたといいます。 (古武さん)「1日目は便と一緒に油が出ました。洋式のトイレに油が浮いているなということで、本当に効果がある、すごいと思った」 しかし、翌日には… (古武さん)「おしりから油が出るんですけれども、いわゆる便意のような我慢して抑えられるものではなくて、気付いたら出ている。なにか違和感があるなと思ってトイレに行くと、あぁ出てた~って。(Q匂いは?)人によるかもしれないですけれど、僕の場合はほとんどなかったかなと思います。(Q色は?)まさにラー油ですね…」 こうした無意識の『油漏れ』は多い時で1日に10回近くあったといいます。その量は…? (古武さん)「プッシュ式のラー油をワンプッシュくらいだと思う。油なのですごい広がりがあって、そのたびにトイレを掃除しないといけないんですけれども、べったりまとわりつく感覚があって、下着がしっかり汚れる。油汚れなので下着は手洗いですね。トイレに行く回数が増えるとか、下着が汚れる、職場で困ったことになる。普通の生活が普通にできなくなるという点でQOL(クオリティオブライフ=生活の質)が下がる」 数日経つと、トイレに行く回数を意識的に増やすことで油漏れを防ぐことができるようになったといいますが、職種によっては負担が大きいかもしれないと古武さんは話します。 (古武さん)「頻繁にトイレに行くとか、意識を保ち続ける、みたいな。副作用はほぼ起こると思いながら飲んだ方が身のためです。替えの下着を必ず持って行くとか、下着にパットをつけるという方法もあります。奥さんに聞くなり。販売する薬剤師さんも知っておくといいかなと思います」 また、他の薬との飲み合わせが悪い場合もあり、薬剤師のフォローアップをしっかり受けることなどが大事だということです。試しに1週間だけ飲んでみた古武さん。それでもかなり辛かったそうです。 (古武さん)「(Q残りの薬を飲む予定は?)ちょっと…。僕からしたらあまりに副作用が強すぎたというところがありまして、これはもう飲まないかと思います」