「定食の脇役」というイメージだった豚汁が「主役」に…。外で食べる”ごちそう”に進化しています。
【写真を見る】「和食の文化を広げていけたら…」豚汁専門店が増加 そのワケは「タイパ」「差別化」?【Nスタ解説】
熊崎風斗キャスター:この時期は特に食べたくなると思うんですが、家で作る豚汁から、どんどん進化しています。
グルメのトレンドをUber配達員でフリーライターの渡辺雅史さんによると、配達をしていて、豚汁の勢いをすごく感じるそう。専門店の豚汁を配達する機会が増えてきているそうです。「今の時期だと牛丼チェーン店の豚汁率がかなり高い」ということで、味噌汁を豚汁変更にしたりとかが非常に多くなっている。
牛丼チェーン店の松屋に聞くと、豚汁の売り上げは夏の時期(6月~8月)に比べて、冬の時期(11月~1月)だと、約2倍になっているといいます。豚汁の人気自体が高まってきていて、夏も売れている。それの倍ですから相当な数字ですということは、松屋の方もおっしゃっていました。
今、豚汁専門店もなぜここまで増えてきているのか?ホットペッパーグルメ外食総研の有木真理さんに伺うと、そもそも、日本食への注目が非常に高まっていると。
自宅で作るのが主流だったのが、タイパ(タイムパフォーマンス)が悪い。なかなか家で作るのには手間がかかる。何かがあっての脇役が豚汁だとするならば、ちょっとどうなんだ?ならば外で食べようと、外食需要が、非常に高まっている。日比麻音子キャスター:食に関してのタイパは、頼れるところは頼りたくて。豚汁って簡単に作れるとかってよくいいますけど、まったく簡単じゃないというか。切るのも本当に大変で。材料を揃えるのにもお金がかかりますし、今は専門店がたくさんありますから、ぜひ活用したいですよね。熊崎キャスター:さらに豚汁は、どの具材をチョイスするかというところでも個性が問われる。お店側の視点に立って見るならば、そこで非常に個性が出せる、自分たちのお店のウリを作れるというところがあるそうです。芋はじゃがいもなのか、里芋なのか、さつまいもなのか、いろんな選択肢があります。野菜も当然そうです。味噌でも白味噌、合わせ味噌、いろいろあるじゃないですか。他のお店とは差別化がしやすいのが豚汁であり、だから外食としても店舗を出しやすいそうです。
熊崎キャスター:有名な定食店でも今、豚汁ブームが来ている。世田谷区にある定食屋の「石榴」さんは、とんかつや生姜焼きなど、非常にウリが多いお店です。もともと豚汁に関しても冬限定でしたが、あまりの人気に、通年頼めるメニューになりました。最近は、豚汁とライスのみという頼み方が増えているそうです。そして豚汁専門店、新潟県妙高市の「とん汁たちばな」に絶品豚汁の作り方を聞きました。
家で作るのは大変という方は「タマネギをふんだんに使うことによっておいしい豚汁ができますよ」と。1人だいたい1個ぐらい、2人で500グラムと言っていました。それぐらいたっぷり使ってくださいと。あとは豚肉、豆腐、これぐらいの材料でもおいしい豚汁ができるそうです。さらに、おすすめのちょい足しテクニックも伺いました。麺を入れるのもおすすめです。
「とん汁ラーメン」というのも実際に販売されていて、味噌ラーメンを作って、その上に豚汁をかける。でも、豚汁の中にラーメンを入れるのでも、十分おいしいということです。いろんな応用ができる豚汁です。歴史・時代小説家今村翔吾さん:豚汁は多分、明治時代ぐらいからのものですよね。豚を食べられないでしょうから、そんな気はしていますし、さつま汁とかに語源がありそうな気はしますけどね。井上キャスター:アカデミックな観点を最後にありがとうございます。