全国の新聞社などの労働組合でつくる日本新聞労働組合連合(新聞労連)は26日、徳島市が市長の定例記者会見で記者の質問内容を制限するなど、各地で自治体首長への取材を巡り同様の問題が相次いでいるとして「言論の自由を保障した憲法に違反する悪質な行為」とする抗議声明を発表した。
「市長選の質問NG」 徳島市が地元紙に要請
声明では、徳島市政記者クラブが主催した内藤佐和子市長の定例記者会見で、市職員が地元紙の記者に対し、市長選(3月31日告示、4月7日投開票)に関する質問をしないよう求めた問題を挙げた。また、山梨県の長崎幸太郎知事へのインタビュー取材で政治資金収支報告書の不記載について質問しないよう県が一部の報道機関に要請したことや、昨春から石川県の馳浩知事が定例記者会見に応じていないことも挙げている。
徳島市の内藤市長は2023年9月に再選出馬をX(旧ツイッター)で表明した後、市政記者クラブによる2度の取材要請に応じなかった。声明では「選挙で県民・市民の負託を受けた公人としての説明責任に背を向ける首長の姿勢が広報担当者に伝染し、トップの顔色を伺う忖度(そんたく)が自治体にまん延していることを伺わせる」などと批判している。【植松晃一】