自民党の派閥の裏金問題を巡り、26日の国会で岸田文雄総理大臣が、立憲民主党の野田佳彦元総理大臣に政治倫理審査会を公開するべきではないかと追及されました。公開するかどうかについて、与野党が協議しましたが、議論は平行線に終わりました。
■野田元総理「脱法パーティー」連呼し追及
野田元総理
「なぜ総理に就任してからも、頻繁に政治資金パーティーを開いたのか。総理は2022年だけで、7回もパーティーを開いているんですよ、7回。私はね、金欠です、いつも。だけど、総理大臣になったからといって、パーティーをやろうとは思いませんでしたね。何ですかこれ、異常ですよ」
元総理が総理を追及しました。
野田元総理
「ここまでお金を集めることに心を砕き、エネルギーを割くのか。内閣総理大臣として、そんな心の余裕があるのか。不思議でしょうがない」
「政治とカネ」を巡り、連日にわたる野党からの追及。
野田元総理
「どう見たってこれ、脱法パーティーじゃないですか。脱法パーティーじゃないんですか?」
野田元総理が「脱法パーティー」と連呼するのは、おととし6月に広島で開かれた総理就任を祝う会。主催は任意団体で、収支報告書には政治資金パーティーとしての記載がされていませんが、岸田事務所が関わっているのではとの疑惑が持たれています。
岸田総理
「実質的にも、政治資金パーティーではないと認識をしております」
「実質的」と表現した岸田総理に対し、野田元総理はこう追及しました。
野田元総理
「政治改革の先頭に立つ人が、なぜ抜け穴作りの先頭に立つんですか」
■原則「非公開」の政倫審 野党は猛反発
さらに、26日の国会で注目されたのが…。
野田元総理
「説明責任というのは誰に果たすんですか。国民のために果たすんでしょう。当然、公開すべきじゃないですか」
「公開」か、「非公開」か。裏金問題を巡り、今週行われる見通しの衆議院の政治倫理審査会では、公開を巡って膠着(こうちゃく)状態が続いています。
野田元総理
「完全公開すべきじゃないですか。非公開というのは、過去1回だけですよ」
岸田総理
「完全非公開というのは、長い歴史の中でも過去1回しかなかったと承知をしています」
原則、「非公開」で行われる政治倫理審査会。原則通り「非公開」と主張する自民党に対し、「公開」すべきと野党は猛反発しました。
野田元総理
「きっぱりと総理が言ったらどうしょうか。政治倫理審査会は完全公開でやれと指示したらどうですか?」
岸田総理
「これは国民に向けて説明をする、大変重要な場であると思いますが、適切に国会でご判断されると考えております」
野田元総理
「誰も見ていないところでつぶやいたことが、何で説明責任になるんですか」
岸田総理
「規定に基づいて国会が判断されるべきものであると考えます」
野田元総理
「総理が指示をすれば、自民党がそういうふうに対応すれば国会は動くんです」
■焦点は「公開」の在り方と「質疑時間」
激しい追及をする野田元総理の後ろで笑顔を浮かべ、時折大きくうなずいているのは、石破茂元幹事長です。
石破元幹事長
「私の言いたいことってのは、野田佳彦さんが聞いてくれたところがあるよね。非公開にするって合理的な理由がなかなか見当たらないと思いますが、私は個人的には公開すべきだと思っております」
その後、与野党の協議が行われますが…。
立憲民主党 寺田学政倫審野党筆頭幹事
「与党側から伝えられたことに関しましては、傍聴の許可・非公開、撮影録音・非公開、院内テレビ中継・非公開、そしてまた会議録の閲覧・非公開という完全な非公開で行いたいと。(質疑時間)計45分で済ませたいという話がありましたけれども、およそそのような短い時間では納得できないということで、持ち帰ることも致しませんでした」
焦点となったのは「公開」の在り方、そして「質疑時間」。自民党は「完全非公開」で、1人あたりの質疑時間「45分」を主張しました。
これを受け、国会では自民党の姿勢を激しく追及しました。
立憲民主党 城井崇議員
「自民党からはなんと傍聴、撮影、録音、院内テレビ、会議録のいずれも許さないとの完全非公開が提案され、完全非公開提案をした自民党、この総裁は、責任者、岸田総理、あなたです。国民に説明責任を果たすといいながら、完全公開反対するとは国民への裏切りです」
岸田総理
「説明責任を尽くす観点から最良の方法がとられること、これを期待しております」
■議員の傍聴を認める案も…折り合わず
野党との溝は埋まらず、幹事会で再び協議となりました。
寺田政倫審野党筆頭幹事
「お昼の段階では(質疑時間)45分という、非常に短い時間ではありましたけれども、提案がありました。少なくとも1時間以上という、方向性はある程度見えてきた感じはします」
質疑時間については「1時間以上」に歩み寄りますが…。
寺田政倫審野党筆頭幹事
「自民党は引き続き、国民の皆さんには直接公開することは拒んでいるという状態であります。1案として、議員傍聴を認める形で開催をしたいという話がありましたけれども。国民の皆さんに直接説明責任を果たすことこそが、政倫審の役割の一つ、大きな柱であると」
議員の傍聴を認める案が浮上も、議論は折り合いませんでした。自民党内からはこのような声が聞かれました。
自民党 閣僚経験者
「政倫審っていう場自体が原則非公開なんだから、まず非公開で粛々とやればいいじゃんね」
自民党 若手議員
「政倫審は規則上、原則非公開。ルールから変えましょうと言う議論なら分からなくもないけど、それでも公開だというなら、(当時の民主党代表)鳩山さんは出ませんでしたよね?公開・非公開以前の話でしたよね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年2月27日放送分より)