感染が拡大している「季節性インフルエンザ」。今シーズン2度目のピークを迎えるという“異例の事態”が起きているといいます。
26日、東京・北区「いとう王子神谷内科外科クリニック」の発熱外来には、多くの患者が訪れていました。診察室で院長の診察を受けるのは、10歳の女の子。
院長「38.8度まで上がった?」患者の母「はい」
院長「学校では、はやってます?」10歳の患者「はやってます…」院長「インフルエンザとコロナの抗原検査を同時に行ったところ、インフルエンザB型が陽性でした。予想してた?」10歳の患者「してない…」
診断結果は季節性のインフルエンザ「B型」。
今、患者が増加傾向にあるという、インフルエンザ「B型」。いとう王子神谷内科外科クリニックでは、1月に22人だったB型インフルエンザの患者が2月は72人と、実に3倍以上に増加しています。
B型の感染拡大に伴い、ある“異例の事態”が起きているといいます。「めざまし8」の取材に答えてくれたのは、2月に小学1年生の娘がインフルエンザに感染したという母親。
娘がインフルエンザに感染したという母親:1回目が昨年10月の終わりだったんですけど、2回目が今月5日の夕方に、学童にお迎えに行った時「少し微熱がありますよ」ということを言われて…。(1回目は)インフルエンザA型ですって、診断を受けまして。(2回目は)インフルエンザB型って診断を受けて。また、何かもらってくるか分からないなと思いながら、心配は続きますね。
2023年の10月末と2月、1シーズンで2度もインフルエンザに感染したというのです。
さらに、通っている学校もインフルエンザの影響で2度の「学級閉鎖」に。
なぜ、1シーズンに2度もインフルエンザにかかってしまったのか?いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長はこう指摘します。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:A型の流行がいつもよりも2~3週間早く流行が終わり始めたと。それから大きな寒暖差と、空気の乾燥。インフルエンザに対する抵抗力の低下が背景にあるのではないかと。おそらく10年ぶり、あるいはそれ以上かもしれません。異例のインフルエンザB型の大流行だと。
ここまでの「B型」の感染拡大は“10年に一度レベル”と指摘する伊藤院長。実際にインフルエンザの患者報告数を示したグラフを見てみると、2023年12月にピークを迎えて減少したものの、年明け以降に急増し、2つのピークができています。
一般的にはA型よりも症状は軽い傾向だというB型ですが、従来とは症状が異なり「強い吐き気」を感じるといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:(B型は)吐き気や嘔吐や下痢や腹痛などの消化器の症状が頻度が高く出てきます。今年のインフルエンザB型は一味違います。今までインフルエンザにかかったことない人でも平気で感染していますし、症状も決して軽くありません。
川崎医科大学の中野 貴司先生は、インフルエンザB型の特徴としてA型を罹患して得た免疫が十分に通用しないことを挙げています。
1シーズンに2度インフルエンザに感染する可能性が大いにある今シーズン。対策は「飛沫感染予防」と「接触感染予防」が主で、手洗い・マスク着用・換気・人混みを避けるという基本的な対策が重要だということです。(めざまし8 2月27日放送)