「生まれ変わったら道になりたい」
9年前の逮捕時、警察の調べに対しこう本音を漏らしていた「側溝覗き見男」に判決が言い渡された――。
′23年9月8日、側溝に入って通行人のスカート内を覗き見、盗撮したとして、性的姿態撮影処罰法違反などの罪に問われた神戸市東灘区の無職、平井泰臣被告(37)。1月26日、神戸地裁は平井被告に対し、懲役1年6ヵ月、保護観察付き執行猶予4年の判決を言い渡した。裁判官は判決で、「3度罰金刑に処されてきたが、行為をやめることができず常習的犯行である」「人が潜んで覗かれているとはおおよそ想定できない場所であり、県民生活への安全や秩序に与える悪影響は大きい」などと指摘した
「平井被告は‘23年9月8日、神戸市東灘区の地下道付近の側溝内にスマホを設置し、通りがかった女子学生12人の下着を盗撮。自身はスマホを仕掛けた現場から50mほど離れた別の側溝内に潜み、約4時間半にわたった上を歩く女性のスカート内をのぞき見していた。平井被告は8~14日の間に3度側溝内に潜り込み、100人ほどの女性のスカート内を覗いていたとみられています」(全国紙社会部記者)
事件当日、帰宅途中の女子高生が鉄製のグレーチング(格子状の蓋)のすきまから、側溝内に録画モードになっているスマホが落ちているのを見つけ、不審に思い交番に提出。スマホがあった場所は狭くて人は入れないものの、女子高生や甲南女子大の学生の通学路だったため、県警生活安全特別捜査隊は盗撮目的とみて捜査を進めた。
「この時、捜査員たちの頭の中には常習犯の平井被告の顔が浮かんでいました。事件から6日後の14日、付近を捜査している際、捜査員の1人が『もしかするといるかも』と思い警戒しながら側溝内を覗き込むと、カバンがあるのが見えた。
ライトで照らしたところ、人影が見えました。すぐに側溝の奥までライトを向けると、四つん這いの状態でこっちを見ている平井被告と目が合ったといいます。平井被告は慌てて後ずさりしながら、その場から立ち去ろうとしていたそうです」(捜査関係者)
捜査員が「何しとるんや、出てこい!」と叫ぶと、平井被告は「何がや」と言い返し逃走を図ろうとした。捜査員が「待て、待て、警察や」と伝えると「警察ですか」と捜査員の指示に素直に従い、側溝から這い上がって任意同行に応じたという。その時点では被害申告は出ておらず側溝に入っているだけだったため、本人が「スカート内を覗くためだった」と認めても、現行犯逮捕はできなかった。調べに対し、「逮捕されなかったら、他府県に逃走するつもりだった」と話していたという。
「平井被告は、中学2年の頃から計1000回以上、側溝内に潜んで覗きを繰り返していた。中学生の時、遊びで側溝の中を探検していたところ、たまたま女性の下着が見えて興奮を覚え、覗きがやめられなくなった。頭では『やめないとあかん』と思っても、欲望に負けて側溝に入ってしまうそうです。
人通りのない深夜や早朝に潜り込み、5~6時間側溝にいてもまったく苦にならないとも話しています。これまでも側溝から出てくる時に通行人に見つかって何度か通報されていますが、警察官が現場に駆け付けた時には、すでにその場から姿を消していました」(全国紙社会部記者)
平井被告は保釈後、再犯防止のため入院治療を進めるなど、更生の意欲を示しているものの、昨年の逮捕時も「(道になりたい気持ちは)今でも変わりない」と話していた。前代未聞の覗き見男は、自分の欲望に打ち勝てるのか。