2023年に社会的に大きな話題になった企業の一つが中古車販売大手「ビッグモーター」だ。
自動車保険の保険金不正請求問題が発覚。車の損傷箇所を増やすために靴下にゴルフボールを入れて振り回してぶつけていたという異常ぶりに世間は驚いた。創業者の兼重宏行前社長の長男である宏一前副社長によるパワハラまがいのLINEも注目された。
兼重親子は退任となり、話題は同社の再建に移っている。伊藤忠商事が再建に名乗りを上げているが結論は出ていない。12月18日付けの読売新聞オンラインで取材に答えた伊藤忠商事の石井敬太社長は再建に乗り出すかどうかは「五分五分」と発言。創業家の絡む問題を引き継ぐ気はさらさらないという。
もう一つ話題となったのが街路樹問題だ。同社店舗前の街路樹に除草剤をまいたり、街路樹を勝手に切断していたことが発覚。これは前副社長による落ち葉も許さない?環境整備点検?が原因だった。
当局は前副社長の自宅などを街路樹問題に関連する器物損壊容疑で家宅捜索。パソコンなどが押収されたといい、前副社長からの指示があったかどうかが調べられている。
東京都内では9店舗前で除草剤の成分が検出された。これを受けて東京都はビッグモーターに対して道路法に基づき街路樹の原状回復費用として約1600万円を支払うよう命令、すでに支払いは済んでいる。
原状回復の進み具合はどうなっているのか。12月中旬、本社機能が六本木ヒルズから移転された多摩店を訪れた。この店舗では20本の街路樹を勝手に伐採するなどひどいあり様が指摘されていたが…何も変わっていなかった。
伐採が発覚した夏に訪れたときと変わらず伐採された痕が痛々しく残ったまま。街路樹の根元には雑草が1本も生えておらず、今でも?環境整備点検?が行われているかと思ったが、反対車線の街路樹根元も同じだったので、これは冬だからなのだろう。
いつになったら元に戻るのか。東京都の担当者は「原状回復工事の時期は未定です」と明かした。街路樹の伐採痕は器物損壊の証拠となるので、警察の捜査が終わるまでは手が出せないという。全国では街路樹が?復活?したところもある。2024年は街路樹と共にビッグモーターの復活もあるか。