痴漢や盗撮犯などを捕まえて警察官や駅の従業員に引き渡す様子をYouTubeやX(旧Twitter)などに投稿することで生計を立てている「世直し系/パトロール系YouTuber」たち。
煉獄コロアキやガッツchが逮捕されたことをきっかけに、彼らは仲間が逮捕されたことについてやアンチコメントなどについて会議を開き、それぞれの考えを話し合っていた。
そして、彼らが開催した会議も終盤を迎え、最後に【今後の個々の活動方針。以前から変わったことについて】に話が移った。
黒い彗星:僕は悪いことをしている人なら、誰にでも乗り込んでいくスタイルでやっています。今後は迷うことがあれば、全部警察に聞いてから行動したいですね。交通違反だったら交通課の刑事に。犯行が間違いないと確定して行動していきたい。僕の活動は募金活動と悪いヤツを注意すること。収益化はできていないが、できたら活動の幅は広がるのでやれたらいいっすね。
はっくん:人の活力になりたい。楽しませたい。これは昔から変わらないです。法的にセーフなのかアウトなのかは、今の僕の知識では判断が難しい。今すぐには難しいですが、4、5年後、知識を付けてからやっていきたい。これからガッツさんが出所しても僕には自信がないので、私人逮捕からは距離を取りたいです。これからは、自分のエンタメ、なにか人を楽しませる活動をしていきたい。自分の動画編集の能力を生かして裏方とかでもいい。私人逮捕はもうやりません。
そうし:盗撮をゼロにはできないが、ゼロに近づけようって思いがあって活動しています。この意識は変わらない。今の活動をしていると盗撮は見える範囲でも多いです。盗撮犯は気持ち悪いし嫌いなので、今後とも捕まえていきたい。
スーパードミネーター:YouTubeの方針は変わらず、盗撮犯を捕まえます。盗撮犯って日本に滅茶苦茶いて、これは社会問題だと思います。これからの活動で大事なのはメディアを通して、しっかりと自分の考えを発信すること。自分は話すのが好きだから、メディアの方と深く付き合って、活動の正しさを広げたい。これに時間を割きたい。世間の見方を変えていきたいですね。
フナイム:僕は犯罪撲滅活動家なんです。私人逮捕系ではない。私人逮捕をしたこともありますが、メインの活動は特殊詐欺、闇バイトとかを撲滅することです。それは今後も変わりません。その活動の一環として色々な方とコラボ、メディアでの発信をしています。僕の発言が世に広まって、加害者も被害者もなくなるのが願いです。そのためには、もっと法律を知らないといけない。おじいちゃん、おばあちゃん、学生向けの講演などを通じて、犯罪の抑制をしていくつもりです。ただ、そのプロセスの中で犯罪行為をしないように気をつけるつもりです。数字は取れませんが、金目的でやってないからこれは問題ないです。
スーパードミネーター:僕らはこのまま活動を続けるつもりです。そもそも、僕たちは過激に活動していません。相手が逃げるから捕まえているだけなんです。逃がせばいいって意見は違うんです。ここで逃がしてしまうと加害者が何をするかわからないので危険なんです。好き勝手言っているヤツは犯罪者を目にして、落ちついて対応ができるのかって話。ベストな選択をしているのに批判が来るのは納得がいかない。私人逮捕の完成形をお前らがやって見せてくれって思う。時代に合わせて、批判を生まないように活動しないといけないが、それが難しい。
フナイム:そもそも、私人逮捕は要件を満たしていれば誰でもやっていい。ひったくりを見つけたら私人逮捕をしてもいいんですよ。だけど、だれもやらない。結局は見ているだけで、多くの人は関わりたくないって思っているんです。
スーパードミネーター:犯罪者に冷静に、敬語を使うべきだって意見もありますが、それだと舐められるんです。だったらしっかりと強く言わないといけない。本当はもっとガチガチにやりたいが、それは時代にそぐわないからやらないだけなんです。
フナイム:僕はもっと感情的に言いたいけど、それは意味がない。個人的なエゴを押し付けるのはよくないから。犯罪者のために、再出発の道を示していきたい。なぜなら僕が犯罪をしていた側だったから。世間の目はあまり気にしないけれど、法律違反をしながら私人逮捕をしてしまうってことが問題なんです。
スーパードミネーター:私人逮捕のやり方に問題があって警察に逮捕されたり、裁判で裁かれるのは悪いことをしたからしょうがないんですよ。でもそれで僕らも学習しているんです。アンチたちも学んでほしい。
フナイム:あとはお金の問題。収益のために私人逮捕をコンテンツ化しているなんて言われますけど、僕は収益化していないから。金目的なら黒い彗星さんも収益化できてないしね。被害者、泣いている人をひとりでも多く助けたい。金が目的なら他の仕事をして今頃タワマンに住んでますよ。僕の目標は犯罪撲滅なんです。そんなに金目的に見えるなら一回俺と話そうぜって思っています。はっくんだってそうです。
はっくん:手伝ってた時は一銭も貰ってないです。私人逮捕の話を聞いたときに、世直しができると思って、それだけでやっていました。
スーパードミネーター:僕も金のためじゃないです。チャンネル運営をしている3人の必要最低限の金、普通の生活が送れるくらいの金があればいいんです。それが広告収入ならありがたいなって話です。金を目的にしていないから、活動に全力が出せる。これは順位の問題で、金が上に来ていないから、ギリギリの生活でも頑張れる。今の活動が楽しい、面白いからやっている。正義感なんてないんです。それでいいんです。
フナイム:それ聞きたいですね。みんなの正義感について。お前らの正義感を押し付けているだとかよく言われるんで。
スーパードミネーター:押し付けてないですよ。肯定否定は求めていないんです。見たくないから見なければいい。他のYouTuberを見ればいいのに、なんで嫌いなYouTuberを見ているのかがわからない。
フナイム:僕も正義を押し付けている気は全くないです。僕は人の喜ぶことを人のためにしたい。それだけです。犯罪者は自分のことしか考えていないから、それを正していきたい。犯罪者だった自分からしか言えない情報をいい方向に使いたい。世間の人が犯罪に巻き込まれないように警告していきたいです。
約2時間の会議は時間の経過を感じさせずに、すぐに終わりを迎えた。彼らは彼らなりの信念があり、心情があり、目標があって活動をしている。世のため、人のため、これからも活動を続ける予定なのだという。
どれほど万全に準備したつもりでも、思わぬところに落とし穴がある。彼らも活動を続けるのならその点に気をつけてほしいものだ。
取材・文・PHOTO:白紙 緑