九州一の繁華街である福岡市・天神のビル街に柿の木があり、行き交う買い物客らの頭上で、鮮やかな色の実がなっている。
市によると、誰がいつ植えたのかは不明だ。市民から「取って食べてもよいか」と問い合わせもあるが、市は「危ないのでやめてほしい」と呼びかけている。
柿の木は商業施設「ミーナ天神」前の歩道脇にあり、市公園部運営課によると、高さ約5メートル、幹回り約0・7メートル。そもそも、柿は大きな実がなり、歩道などに落ちる恐れがあって、都心の街路樹には適さない。市が植えた記録はないが、20年前にはすでに育っていたとされる。鳥のふんに混じった種が育ったなどの可能性が考えられるという。
市は冬に剪定(せんてい)をしたり、落ちた実を集めたりして管理し、今季も来年1月頃に周辺を清掃する予定だ。
木は市有物にあたり、勝手に収穫すると器物損壊や窃盗罪に問われる可能性があるという。同課の担当者は「きれいな実を見上げて、季節を感じるだけにしてもらいたい」と話している。