茨城県日立市役所前と東海村役場に車が突っ込み3人が重軽傷を負った事件で、東海村役場の建造物損壊容疑で逮捕された自称運転手、益子泰容疑者(53)=日立市久慈町3=が、日立市の事件への関与をほのめかしており、母親の用事で一緒に出かけていたとみられることが捜査関係者への取材で明らかになった。県警は殺人未遂や傷害容疑を視野に、詳しい経緯を捜査している。
【写真まとめ】東海村役場に突っ込んだ車 日立市は7日、益子容疑者による庁舎内のトラブルについて調査したが「確認できなかった」と明らかにした。小川春樹市長も同日、「庁舎内でトラブルがあれば報告が来るが、益子容疑者については把握していない。事件直前もトラブルがあったという報告はない」と話した。

一方で、益子容疑者はたびたび市役所を訪れていたことも分かっている。11月初旬には自らの交通事故に関連し、交通防犯課を訪れたが特に問題は起きなかったという。 障害福祉課でも、益子容疑者に似た男性が相談に訪れていた。職員は「(移送の映像で)顔を見て思い出したが、相談内容は覚えていない。受けられるサービスについて情報提供する程度で終わったはず。時期は今年に入ってからだと思う」と話した。両課とも、事件があった6日の訪問はなかった。 市庁舎前の広場では6日夜、益子容疑者の車が入り込んだ障害者用駐車場の脇に進路をふさぐベンチを設置した。市は「あくまでも応急の対応策。どのように侵入者を防ぐか、今後検討したい」と述べた。 県警は益子容疑者が6日午後1時ごろに黒い乗用車で日立市の事件を起こした後、自宅がある団地で白い乗用車に乗り換えたとみて調べている。 団地に戻ったところを目撃した住民によると、猛スピードを出した黒い車が駐車場の他の車に衝突。益子容疑者は手に持っていたトマトを投げ捨て、助手席に母親を残したまま走り去った。 益子容疑者と母は、同じ団地の別の棟に住んでいたとみられる。目撃した女性は「お母さんは胸を打って『痛い』と言っていたのに、そのまま走って逃げた」と話した。住民らで母を助けようとしたがドアが開かず、救急隊員が駆け付け救助したという。益子容疑者と同じ棟に住む80代の女性は「月に1回の掃除に出られないとおわびにティッシュを配るような、普通の人なのに」と驚いた様子で語った。 その後に向かった東海村について、益子容疑者は「恨みがあった」という趣旨の供述をしているという。山田修村長は7日、報道陣の取材に「(容疑者から)危機感を感じるような(脅迫などの)報告は受けていない。何が動機か分からない」と述べた。【西夏生、田内隆弘、長屋美乃里】
日立市は7日、益子容疑者による庁舎内のトラブルについて調査したが「確認できなかった」と明らかにした。小川春樹市長も同日、「庁舎内でトラブルがあれば報告が来るが、益子容疑者については把握していない。事件直前もトラブルがあったという報告はない」と話した。
一方で、益子容疑者はたびたび市役所を訪れていたことも分かっている。11月初旬には自らの交通事故に関連し、交通防犯課を訪れたが特に問題は起きなかったという。
障害福祉課でも、益子容疑者に似た男性が相談に訪れていた。職員は「(移送の映像で)顔を見て思い出したが、相談内容は覚えていない。受けられるサービスについて情報提供する程度で終わったはず。時期は今年に入ってからだと思う」と話した。両課とも、事件があった6日の訪問はなかった。
市庁舎前の広場では6日夜、益子容疑者の車が入り込んだ障害者用駐車場の脇に進路をふさぐベンチを設置した。市は「あくまでも応急の対応策。どのように侵入者を防ぐか、今後検討したい」と述べた。
県警は益子容疑者が6日午後1時ごろに黒い乗用車で日立市の事件を起こした後、自宅がある団地で白い乗用車に乗り換えたとみて調べている。
団地に戻ったところを目撃した住民によると、猛スピードを出した黒い車が駐車場の他の車に衝突。益子容疑者は手に持っていたトマトを投げ捨て、助手席に母親を残したまま走り去った。
益子容疑者と母は、同じ団地の別の棟に住んでいたとみられる。目撃した女性は「お母さんは胸を打って『痛い』と言っていたのに、そのまま走って逃げた」と話した。住民らで母を助けようとしたがドアが開かず、救急隊員が駆け付け救助したという。益子容疑者と同じ棟に住む80代の女性は「月に1回の掃除に出られないとおわびにティッシュを配るような、普通の人なのに」と驚いた様子で語った。
その後に向かった東海村について、益子容疑者は「恨みがあった」という趣旨の供述をしているという。山田修村長は7日、報道陣の取材に「(容疑者から)危機感を感じるような(脅迫などの)報告は受けていない。何が動機か分からない」と述べた。【西夏生、田内隆弘、長屋美乃里】