政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、岸田文雄首相は安倍派を政権中枢から一掃するとみられている。松野博一官房長官、西村康稔経産相のほか更迭されると言われているのは、政務三役合わせて15人に上る予定だ。
ほかにも“悪い意味で”注目を浴びた議員がいる。
当選7回、元文科副大臣の谷川弥一衆院議員(82)だ。
安倍派から4000万円を超えるキックバックを受けたにもかかわらず、収支報告書に記載していなかった疑いが持たれており、12月10日に記者らに追及を受けたのだが……。
記者から、
「4000万円超のキックバックがあったという報道があったが事実関係は?」
と質問をすると、谷川氏は当たり前のように
「読み上げますよ?」
と前置きしたうえで手元の紙に目を落とした。
「清和政策研究会のパーティー券の問題について、刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を慎重に調査・確認をして、適切に対応してまいりたい」
と悪びれることもなく堂々と読み上げたが、記者らがこれで収まるわけがない。
Q.キックバックがあった?「今、コメントしただけです。僕が今言えることは。」
Q.(パーティー券の)ノルマはどれくらいだった?「だから今言った通りって言っているでしょ。今言った通り」
などと押し問答を繰り返し、全く回答せず。挙げ句の果てには
「頭悪いねえ? 言っているじゃないの。質問しても、これ以上、今日言いませんと言っているじゃない。わからない?」
とカメラの前で逆ギレする始末だ。
「国民にはインボイス制度などで、1円単位におよんで税務処理に苦しんでいるなか、政治家は領収書の不要な旧文通費が月100万円あるうえに、キックバックも裏金としてポケットに入れていた疑惑が発覚し怒り心頭です。
そんな中、谷川議員は、“頭悪いね?”と人をバカにする発言で火に油を注いだ。当選7回の82歳ということもあれば長年にわたり“先生”と呼ばれチヤホヤされてきて一般人の感覚など全く持ち合わせていないような気がします」(情報番組デスク)
支持率低迷で泣きっ面に蜂状態の岸田政権は、安倍派を切り捨てて挽回を図りたいと考えている中、谷川議員がさらに“燃料投下”で大炎上となっている。
谷川議員といえば、暴言は過去にもあった。’19年には九州新幹線・長崎ルートの整備方針をめぐり、佐賀県の山口知事が
「短期間で決めるのは受け入れがたい」
という考えを示した際、谷川議員は
「韓国か北朝鮮を相手にしているような気分だ」
と言い放ち、のちに釈明に追い込まれた。
ほかにも’16年に衆議院内閣委員会で「カジノ解禁法案」の審議の際、谷川氏は質問が終わったあと“時間が余った”と言い出し、突然「般若心経」を唱えたり、地元への郷土愛を語り出したりして“意味不明だ”と多くの批判を浴びたこともある。
「長崎県五島市出身の谷川氏は、県立長崎東高校を卒業すると家業の製材所に就職。その後、自身で建設会社を設立し大きくすると、長崎県議会議員に立候補し当選。5期連続で当選し、県議会議長になったことも。
その後、衆議院議員に移ったのですが、地元の“土建業”で財を成し地方議員から国政という、なんとも自民党らしい議員ですよ。まさに地元への“利益誘導”政治で生き残ってきた、典型的な政治家ですね」(地元紙記者)
今回ばかりは“お経”ではなく“真相”を口にしてほしいものだ――。