福島県のある街に突然現れた、高さ17メートルにも及ぶ巨大な石。この石をめぐり、ある騒動が起きている。
「日本中探してもありません」、「誰も想像はしていなかった」などと驚きの声を上げる人や、スマホで写真を撮っている人の姿も。
お目当ては、周囲にある重機が小さく見えるほどの「巨大な石」。
その高さはおよそ17メートルで、ビルの4階に相当する。
市外から来た男性(50代)「でかい!これだけ大きい石は珍しい」
巨石が見つかったのは福島・田村市。
もともと民家の庭にあった「やや大きい」と思われていた石だったが…。
2023年6月、その場所に雨水などを一時的にためる「調節池」を作るため掘り起こしたところ、まさかの巨石が出土したという。
地元住民(70代)「まさかこんな大きい石とは思わないですね」
予想外の巨石の出土。
市は、石を砕くことも検討したものの、工期や費用を考え、周囲をより深く掘ることで貯水量を保つ工事に切り替えたという。
それでも、費用は想定の2.5倍以上、およそ7億円まで膨れ上がる見込みとなった。
巨石の出土で税金がかさんでしまった一方で、こんな効果も。
市外から来た男性(50代)「会津から来ました。せっかくだからちょっと寄ってみようかなと。近くで見るとでかいなって」
その雄姿をひと目見ようと、市の外から多くの人が訪れているという。
これには住民も…。
地元住民(20代)「観光地になるんだったら活性化していいと思います。若い人どんどん来てもらって、なんだったら住んでもらって」
地元住民(70代)「あれ(巨石を)なんか利用して、1つの村おこしでもないが、なんかの起爆剤になればいいなと」
巨石で町おこしができないか、期待を寄せている。
実は田村市には、カメによく似た「古代亀石」など、石にまつわる観光スポットが数多くあり、今回、出土した巨石は、石にゆかりのある町の“新たなシンボル”になるのではとみられている。
しかし、福島・田村市の白石高司市長は「イット!」の取材に対し、「どのへんまでになるか、最終確認はしていませんけど、あの(巨石)下側の方、池(調節池)になると思うんで、たぶんね(近づくと)危ないと思いますね」と話した。
今後、調節池ができるため、石に近づくのは危険なうえ、調節池の中にその多くが水没してしまい、巨石のように見えなくなるという。
しかし一方で、福島・田村市の白石市長は「せっかくね、地元にね出たものなので、それを生かすということ、それが何かできないかなって考えてます」と話す。
今後も巨石を見ることはできるのか。市は検討を重ねていくとしている。