フェミニストの仁藤夢乃氏をパロディにしたと言われる作品に出演。さらには、立憲民主党の塩村文夏参院議員の投稿に執拗に反論……。SNS上で活発に言論活動を展開するセクシー女優の月島さくらさんに注目が集まっている。「セックスワーカーに対する偏見が一部の女性たちによって広められている」と訴える月島さんに、なぜ「戦うセクシー女優」になったのか聞いた。
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【写真】チャームポイントは大きな胸。月島さんの全インタビューカット&妖艶なドレス姿毎日のように塩村氏の投稿に反論 14万人のフォロワーを持つ月島さんのXは、他のセクシー女優と比べると明らかに異質である。扇情的なポーズの自撮り画像や出演作品の宣伝の合間に、政治的な発言が紛れ込む。

寄稿した雑誌を手にしながらインタビューに答える月島さくらさん 最近は毎日のように立憲民主党の塩村氏を批判している。塩村氏が中心になって臨時国会に提出し、審議未了のまま廃案になった「悪質ホスト対策法案」についてだ。《なんでこの人、毎回毎回「本人」じゃなくて「親」とか「家族」から話聞いて騒いでるの?》(12月8日のXより)《いつも「家族からの相談が」とか「親御さんからの相談が」と言っている気がしています。当事者の声、本当に塩村さんに届いているのかなぁ??》(9日のXより) 塩村氏の投稿に執拗なくらい絡むのである。月島さんは「黙っていられないからですよ」と語る。「私たちの業界を混乱に陥れたAV新法ができた時と同じ流れです。当事者の声がかき消されてしまい、どんどん『悪質ホスト』という言葉が一人歩きしている。塩村さんは国会で、娘が悪質ホストにはまって風俗で働いていると嘆く親の手紙を朗読していましたが、ホスト通いを心配する親の話にどれほどの真実があるでしょうか。娘とコミュニケーションが取れているとも限らないですし、話が大きくなっている可能性もある。そんな不確かな調査だけで、前回と同じように感情論で拙速に業界全体を潰しにかかるような法律を作ろうとするなんておかしい」搾取側の代弁者ではない 一方、塩村氏は月島さんを名指しこそしないが、批判に対してこう反論している。《親御さんからの相談が多かったですが、最近は当事者からの相談が多いです。(中略)どうも、的外れに批判をして、政治行政がやるべきことを邪魔をする搾取側や代弁者が多すぎる》(9日のXより) 月島さんはこの反論にもこう言い返す。「フェミニスト活動家たちも同じような言い方をするのですが、私は搾取側でも代弁者でもありません。私は自分の意思で発言しています。ホストに通う風俗嬢もセクシービデオに出演する女性たちも、ほとんどが自分の意思で働いています。その声にちゃんと耳を傾けるべきだと思うのです。もちろん、一部に悪徳ホストがいることを否定はしません。でも、全部じゃないでしょう」 月島さんは、セクシー女優が接客する六本木のキャバクラにも週1回程度、勤務している。立民が作ろうとしていた法案はホスト業界ばかりでなく「夜職全体に影響が出る可能性があり、決して他人事ではない」と語る。「私のお客さんには一日に100万円を使ってくれる男性がいますが、今の議論を見ていると私も悪徳キャバクラ嬢と批判されているような気持ちになります。もちろん、ホスト問題では売掛金が問題視されていることはわかっています。でも、議論の根底には『一晩で数十万円、数百万円なんて、騙されているに違いない』という思い込みがある気がするのです。何にいくら使って幸せを感じるかは人それぞれの価値観のはずです」「WiLL」に塩村氏批判を寄稿 売春を強要するような悪質ホストは排除されるべきという考えに異論はない。ただ、新たに法律を作らずとも違うやり方があるはず、と続ける。「消費者契約法などの現行法でも十分に対応が可能なはず。そもそも、“立ちんぼ”をするまで突き進んでしまう女の子には、依存症とか発達障害など個人的な問題を抱えている子が多い。金銭管理が苦手な子には医療の手を差し伸べるとかのほうが、より彼女たちを救えると思う」 塩村氏とはAV新法の時からの因縁がある。同法の成立後、女優仲間と一緒に会いに行った。「『なんで私たちの言葉に耳を傾けてくれなかったんですか』と面と向かって聞きたかったからです。塩村さんから返ってきた言葉は『AV人権倫理機構を業界団体だと思って話を聞きました』。でも、倫理機構は弁護士や法律家、犯罪学者などが集まる第三者組織であり、業界団体なんかじゃない。そう訴えましたが、塩村さんは『倫理機構と話し合ってまとまったから、この法律で上手くやってください。しばらく仕事がなくなるかもしれませんが仕方ありません』と言うだけでした」 月島さんはこの時のやりとりを「女性の権利を侵害するAV新法 立憲・塩村あやか議員の不誠実」という原稿にまとめ、保守系論壇誌「WiLL」22年11月号に寄稿した。同誌には今年も2度登場するなど、すっかり常連メンバーだ。 掲載後、塩村氏から「言ってもないことを書かれて名誉を毀損された」との通知書が同誌の発行元に届いた。だが、月島さんは「政治家が批判されたくらいで、いちいち法的手段をチラつかせるのもどうなんでしょうね」と意に介していない。私たちは必要とされている 月島さんと言えば、若年女性支援団体「Colabo(コラボ)」代表の仁藤夢乃氏との対立でも知られている。今年、「似非フェミニストの闇落ち」と題した作品に主演。それを知った仁藤氏は10月、「Colaboをパロディにしている」と激怒し、長文の批判文をXに投稿した。その後、仁藤氏の意見に同調した人たちがアマゾンや大手の配信サイトに抗議したため、作品は一時、販売停止に追い込まれた。アマゾンだけでも700件以上の予約が殺到していたが、すべてキャンセルになった。 結局、12月に一部通販サイトのみでDVD販売にこぎつけたというが、作品のパッケージを見る限り、ピンクのジャケットを纏った月島さんは仁藤氏を真似ているようにしか見えない。だが、ここでも月島さんは「仁藤さんやColaboがモデルだなんて、どこにも出てきませんよ」と余裕の構えだ。「私はメーカーさんから出演を依頼された出演者の立場です。仁藤さんとは直接やり合ったことがありませんが、作品を観る前からどこが自分に似ていると思ったのか、いつか聞いてみたいですね」 仁藤氏についてどう考えているかと聞くと、「セックスワーカーの仕事を軽んじた発言が多くて悲しくなります」と答えた。「私たちの仕事は、多くの男性に必要とされていると思っている。70代、80代のおじいちゃんだって、家族に隠れてセクシー動画を観ています。性欲が人間の三大欲求の一つで、生きていく上で切り離すことができない大事な欲求だからです。けれど、仁藤さんたちは女性の味方として女性の権利を主張しながらも、私たちの仕事だけは認めてくれずに奪おうとする。多様性と言いつつ自分の気に入っているものしか認めてくれず、そこから漏れた私たちのような仕事をしている人を排除しようとする」人を笑顔にする仕事だと思っている Colaboが昨年11月、活動に批判的なインフルエンサーに対する提訴会見を開いた際、同席した弁護士はセクシービデオについて「まさに女性を性的に虐待して、そのことを娯楽にしている類のものなんですね」と発言。セクシービデオの出演者などが受ける職業差別の解消や性感染症に関する啓蒙・性教育などに取り組む団体「siente(シエンテ)」は、抗議声明を出した。月島さんも中心メンバーを務める団体だ。 仁藤氏は「パロディ作品」を批判した際、こうXで述べた。《性売買を性搾取ではなく「仕事だ!」と言う人たちが、このような形でAVを嫌がらせの道具にし、性的に屈服させようとしてくる。そのことから見えるのは、彼らが、その「仕事」がどういう意味を持ち、どのような影響を少女や女性や、男性、社会に与えるものなのか理解しているということです。女性たちを前に立たせて、女性であることを利用して、一連の嫌がらせを先導させていること、その意味は初めからよくわかっています。だからこそ胸が痛みます》(10月11日のXより) 月島さんは「私たちはかわいそうな女性ではない」と訴える。「私たちをそんな目で見ないで欲しい。私はこの仕事は人を笑顔にする仕事だと、誇りを持って働いています。今後もセックスワーカーを見下したり否定するようなことを言う人たちとは、とことん戦っていくつもりです」 ファン層はガラリと変わり、「本当にセクシービデオを観ているのか疑うような堅そうな人たちから応援メッセージがたくさん届くようになった」と笑う月島さん。いずれはセックスワーカーを代表する政治家が誕生する時代がやってくるかもしれない。デイリー新潮編集部
14万人のフォロワーを持つ月島さんのXは、他のセクシー女優と比べると明らかに異質である。扇情的なポーズの自撮り画像や出演作品の宣伝の合間に、政治的な発言が紛れ込む。
最近は毎日のように立憲民主党の塩村氏を批判している。塩村氏が中心になって臨時国会に提出し、審議未了のまま廃案になった「悪質ホスト対策法案」についてだ。
《なんでこの人、毎回毎回「本人」じゃなくて「親」とか「家族」から話聞いて騒いでるの?》(12月8日のXより)
《いつも「家族からの相談が」とか「親御さんからの相談が」と言っている気がしています。当事者の声、本当に塩村さんに届いているのかなぁ??》(9日のXより)
塩村氏の投稿に執拗なくらい絡むのである。月島さんは「黙っていられないからですよ」と語る。
「私たちの業界を混乱に陥れたAV新法ができた時と同じ流れです。当事者の声がかき消されてしまい、どんどん『悪質ホスト』という言葉が一人歩きしている。塩村さんは国会で、娘が悪質ホストにはまって風俗で働いていると嘆く親の手紙を朗読していましたが、ホスト通いを心配する親の話にどれほどの真実があるでしょうか。娘とコミュニケーションが取れているとも限らないですし、話が大きくなっている可能性もある。そんな不確かな調査だけで、前回と同じように感情論で拙速に業界全体を潰しにかかるような法律を作ろうとするなんておかしい」
一方、塩村氏は月島さんを名指しこそしないが、批判に対してこう反論している。
《親御さんからの相談が多かったですが、最近は当事者からの相談が多いです。(中略)どうも、的外れに批判をして、政治行政がやるべきことを邪魔をする搾取側や代弁者が多すぎる》(9日のXより)
月島さんはこの反論にもこう言い返す。
「フェミニスト活動家たちも同じような言い方をするのですが、私は搾取側でも代弁者でもありません。私は自分の意思で発言しています。ホストに通う風俗嬢もセクシービデオに出演する女性たちも、ほとんどが自分の意思で働いています。その声にちゃんと耳を傾けるべきだと思うのです。もちろん、一部に悪徳ホストがいることを否定はしません。でも、全部じゃないでしょう」
月島さんは、セクシー女優が接客する六本木のキャバクラにも週1回程度、勤務している。立民が作ろうとしていた法案はホスト業界ばかりでなく「夜職全体に影響が出る可能性があり、決して他人事ではない」と語る。
「私のお客さんには一日に100万円を使ってくれる男性がいますが、今の議論を見ていると私も悪徳キャバクラ嬢と批判されているような気持ちになります。もちろん、ホスト問題では売掛金が問題視されていることはわかっています。でも、議論の根底には『一晩で数十万円、数百万円なんて、騙されているに違いない』という思い込みがある気がするのです。何にいくら使って幸せを感じるかは人それぞれの価値観のはずです」
売春を強要するような悪質ホストは排除されるべきという考えに異論はない。ただ、新たに法律を作らずとも違うやり方があるはず、と続ける。
「消費者契約法などの現行法でも十分に対応が可能なはず。そもそも、“立ちんぼ”をするまで突き進んでしまう女の子には、依存症とか発達障害など個人的な問題を抱えている子が多い。金銭管理が苦手な子には医療の手を差し伸べるとかのほうが、より彼女たちを救えると思う」
塩村氏とはAV新法の時からの因縁がある。同法の成立後、女優仲間と一緒に会いに行った。
「『なんで私たちの言葉に耳を傾けてくれなかったんですか』と面と向かって聞きたかったからです。塩村さんから返ってきた言葉は『AV人権倫理機構を業界団体だと思って話を聞きました』。でも、倫理機構は弁護士や法律家、犯罪学者などが集まる第三者組織であり、業界団体なんかじゃない。そう訴えましたが、塩村さんは『倫理機構と話し合ってまとまったから、この法律で上手くやってください。しばらく仕事がなくなるかもしれませんが仕方ありません』と言うだけでした」
月島さんはこの時のやりとりを「女性の権利を侵害するAV新法 立憲・塩村あやか議員の不誠実」という原稿にまとめ、保守系論壇誌「WiLL」22年11月号に寄稿した。同誌には今年も2度登場するなど、すっかり常連メンバーだ。
掲載後、塩村氏から「言ってもないことを書かれて名誉を毀損された」との通知書が同誌の発行元に届いた。だが、月島さんは「政治家が批判されたくらいで、いちいち法的手段をチラつかせるのもどうなんでしょうね」と意に介していない。
月島さんと言えば、若年女性支援団体「Colabo(コラボ)」代表の仁藤夢乃氏との対立でも知られている。今年、「似非フェミニストの闇落ち」と題した作品に主演。それを知った仁藤氏は10月、「Colaboをパロディにしている」と激怒し、長文の批判文をXに投稿した。その後、仁藤氏の意見に同調した人たちがアマゾンや大手の配信サイトに抗議したため、作品は一時、販売停止に追い込まれた。アマゾンだけでも700件以上の予約が殺到していたが、すべてキャンセルになった。
結局、12月に一部通販サイトのみでDVD販売にこぎつけたというが、作品のパッケージを見る限り、ピンクのジャケットを纏った月島さんは仁藤氏を真似ているようにしか見えない。だが、ここでも月島さんは「仁藤さんやColaboがモデルだなんて、どこにも出てきませんよ」と余裕の構えだ。
「私はメーカーさんから出演を依頼された出演者の立場です。仁藤さんとは直接やり合ったことがありませんが、作品を観る前からどこが自分に似ていると思ったのか、いつか聞いてみたいですね」
仁藤氏についてどう考えているかと聞くと、「セックスワーカーの仕事を軽んじた発言が多くて悲しくなります」と答えた。
「私たちの仕事は、多くの男性に必要とされていると思っている。70代、80代のおじいちゃんだって、家族に隠れてセクシー動画を観ています。性欲が人間の三大欲求の一つで、生きていく上で切り離すことができない大事な欲求だからです。けれど、仁藤さんたちは女性の味方として女性の権利を主張しながらも、私たちの仕事だけは認めてくれずに奪おうとする。多様性と言いつつ自分の気に入っているものしか認めてくれず、そこから漏れた私たちのような仕事をしている人を排除しようとする」
Colaboが昨年11月、活動に批判的なインフルエンサーに対する提訴会見を開いた際、同席した弁護士はセクシービデオについて「まさに女性を性的に虐待して、そのことを娯楽にしている類のものなんですね」と発言。セクシービデオの出演者などが受ける職業差別の解消や性感染症に関する啓蒙・性教育などに取り組む団体「siente(シエンテ)」は、抗議声明を出した。月島さんも中心メンバーを務める団体だ。
仁藤氏は「パロディ作品」を批判した際、こうXで述べた。
《性売買を性搾取ではなく「仕事だ!」と言う人たちが、このような形でAVを嫌がらせの道具にし、性的に屈服させようとしてくる。そのことから見えるのは、彼らが、その「仕事」がどういう意味を持ち、どのような影響を少女や女性や、男性、社会に与えるものなのか理解しているということです。女性たちを前に立たせて、女性であることを利用して、一連の嫌がらせを先導させていること、その意味は初めからよくわかっています。だからこそ胸が痛みます》(10月11日のXより)
月島さんは「私たちはかわいそうな女性ではない」と訴える。
「私たちをそんな目で見ないで欲しい。私はこの仕事は人を笑顔にする仕事だと、誇りを持って働いています。今後もセックスワーカーを見下したり否定するようなことを言う人たちとは、とことん戦っていくつもりです」
ファン層はガラリと変わり、「本当にセクシービデオを観ているのか疑うような堅そうな人たちから応援メッセージがたくさん届くようになった」と笑う月島さん。いずれはセックスワーカーを代表する政治家が誕生する時代がやってくるかもしれない。
デイリー新潮編集部