「頂き女子りりちゃん」を名乗り、男性が自身に好意を寄せていることにつけ込んで金をだまし取る「頂き女子の参考書」というマニュアルを販売したなどとして、詐欺ほう助などの罪に問われた渡辺真衣被告(25)の初公判が2日、名古屋地裁で開かれ、被告は起訴内容を認めた。
起訴状などによると、渡辺被告は昨年6月、同マニュアルを名古屋市の女に販売し、男性2人から計約1000万円をだまし取る手助けをしたとされる。被告は男性から約3800万円をだまし取ったとされる別の詐欺罪でも起訴されている。
初公判で検察側は、渡辺被告が取り調べに対し、マニュアル販売と“頂き”で「総額3億円くらいをだまし取ったと供述した」としている。 詐欺罪の内容は、「おぢ」と呼ぶターゲットの男性に「借金を返済すれば同居できる」などとうそを言い、金銭をごっそり「頂き」するという衝撃の事件だった。2日発表された「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」の候補30語に「頂き女子」が入っていたことからも衝撃の大きさがうかがえる。
渡辺被告はそうしたカネを東京・歌舞伎町の1人のホストに貢いでいたとみられる。そのホスト田中裕志容疑者(26)は詐欺で得た金と知りながら渡辺被告から現金計約4000万円を受け取ったとして、先月、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕された。
田中容疑者がユーチューブチャンネルで明かしているエピソードがエグい。「指名して3か月ぐらいの女の子で、すごい応援したいって言ってくれた。その時、自分お酒飲めないんで、家にあった魚の形した原価3000円ぐらいのヤカンみたいなやつを1277万円で降ろしてもらったことがある」
このエピソードが渡辺被告といわれている。ちなみに「降ろす」とは、ボトルを注文してもらうこと。イワナの骨酒器にモモのジュースを入れたものを、ボトルの代わりに1277万円で提供したようだ。
ジュースに1277万円とは、「頂き女子」もホストも金銭感覚が狂っているとしか言いようがない。