レスリングでオリンピックを3連覇した吉田沙保里の周辺が騒がしい――。
実家で兄・栄利氏が経営する『一志ジュニアレスリング教室』(三重県津市)で、当時6歳だった生徒への体罰が発覚。今年9月日本レスリング協会は栄利氏に対し、2年間の指導者資格停止処分を下していたことがわかった。
『一志ジュニアレスリング教室』は、’14年に急死した沙保里の父親で元レスリング選手・吉田栄勝さん(享年61)が’85年に設立した道場で地元でも有名だ。
体罰を報じた週刊現代によると、事件は’15年に起きたという。“一志ジュニア”でコーチを務める男性の息子に対し、栄利氏が平手打ちを3発食らわせ、6歳だった生徒は吹っ飛んだというのだ。顔からは出血し脳震盪のような症状があり、因果関係は不明だが、今も左目の視力だけが極端に悪いという。
父である栄勝氏は吉田を五輪3連覇へ導いた伝説の指導者だ。
しかし、栄勝氏も竹刀を手に持ち、厳しい指導を日々繰り返していた。日本レスリング協会公式サイトの’20年9月12日の記事には、栄勝さんのこんな言葉が残っている。
「長男は3度、死なせてしまったと思った。教育委員会から指導が来たよ」
と苦笑した、と書かれていた。
さらに、沙保里は過去にテレビに出演した際に明かしたエピソードがある。
あるとき手首を骨折して手術をしてボルトを入れたが、1ヵ月半後に行われる全国大会が控えていた。父は出場させるため、突き出たボルトを
「テーピングを巻ける長さに切ってもらって来い」
と命じそのまま試合に出されたというのだ。
「父の栄勝さんはスパルタといえども名将であり、愛情も深かったと言います。しかし兄の栄利氏は、今回泣き止まない6歳児に腹を立てて殴っているようです。
一部では、“父と比較されること”に焦りがあったのでは、と報じられました。閉鎖的空間で格闘技の指導をすると体罰が起きてしまうことがある。そしてそれはなくならないのが現状です」(スポーツ紙記者)
理不尽なのは栄利氏だけではないようだ。週刊現代によると被害者の父親が津南署に事件を訴えたところ、
「体罰があると知っていて子供を入れたんでしょう」
などと逆に責め立てられ、別室に連れていかれ
「この件についてはもう訴えない」
という念書まで書かされたというのだ。まるで地元のヒーローである吉田沙保里の名を汚すまいと事件をもみ消したかのようである。
理不尽な登場人物がもう一人、それが母親の幸代氏だ。
現代が直撃すると、被害者が事件を訴えてきた際
「私は最初どうしてそんなに事件のことを言うんや、あんたも経験してきたことやろって言いたくなった」
と答えたという。さらに
「“ちょっとした気持ちの行き違い”でここまでこじれた」
と持論を展開している。これが加害者の母親の言い分というのだろうか。
「110kgを超えるレスリングの指導者が幼稚園児である6歳児を顔が出血するほど殴打し、2年間の指導停止処分のみ。警察はもみ消しを図り、母親や張本人はいまだに被害者家族へ、一切謝罪ナシ。
これが法治国家といえるのでしょうか……。沙保里さんは実家のレスリング道場による体罰を一切知らなかったのかも疑問です。彼女のタレント活動に影響が出る可能性もあるでしょうね……」(ワイドショー関係者)
国民栄誉賞を受賞した日本のヒーローである沙保里。その裏では兄が無抵抗な幼稚園児を殴打していた。“二の矢三の矢”として続々と被害者報道がなければいいが――。