奈良県警は1日、県内の70歳代の女性が現金など計9317万円をだまし取られる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。
宅配便で現金を送らせる「現金送付型」の手口で、今年の県内における最大の被害額という。
発表では、女性は4~7月、住宅会社員を装った男らから、老人ホーム入居権を巡る問題解決のために金が必要などと告げられた。女性は指示された東京都内の住所へ6回に分けて計9310万円を送ったほか、電子マネー7万円分を購入し、カード番号を伝えた。別の特殊詐欺事件を捜査している他の警察からの情報提供で被害が判明した。
県警によると、今回を除く1~7月の特殊詐欺の被害額は約3億4000万円で、現金送付型がうち約1億3200万円を占める。県警生活安全企画課は「現金を宅配便で送ることは違法であり、まず詐欺を疑ってほしい」としている。