読売新聞の世論調査で内閣支持率が続落し、政権が発足して以来最低の35%という数字が叩きつけられた翌日の7月24日、永田町でとある怪文書が出回った。 岸田政権を揺るがす木原官房副長官への報道 その文書には「来年9月の自民党総裁選への不出馬を示唆した岸田首相 支持率続落で一転弱気に。伝家の宝刀も抜けず仕舞いか」という衝撃的なタイトルがつけられていた。 これによると岸田文雄首相は7月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせをしている席で、「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリと漏らしたという。

そのときの様子について「誰も予期せぬセリフを同席者はみな聞き流したというが、ことは来年9月までの自民党総裁任期をもって退陣も辞さないとする重大発言である。表沙汰になれば首相の求心力が一気に低下しかねず、内輪で箝口令が敷かれた」と書かれている。 また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。 岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
読売新聞の世論調査で内閣支持率が続落し、政権が発足して以来最低の35%という数字が叩きつけられた翌日の7月24日、永田町でとある怪文書が出回った。
岸田政権を揺るがす木原官房副長官への報道 その文書には「来年9月の自民党総裁選への不出馬を示唆した岸田首相 支持率続落で一転弱気に。伝家の宝刀も抜けず仕舞いか」という衝撃的なタイトルがつけられていた。 これによると岸田文雄首相は7月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせをしている席で、「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリと漏らしたという。

そのときの様子について「誰も予期せぬセリフを同席者はみな聞き流したというが、ことは来年9月までの自民党総裁任期をもって退陣も辞さないとする重大発言である。表沙汰になれば首相の求心力が一気に低下しかねず、内輪で箝口令が敷かれた」と書かれている。 また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。 岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
岸田政権を揺るがす木原官房副長官への報道 その文書には「来年9月の自民党総裁選への不出馬を示唆した岸田首相 支持率続落で一転弱気に。伝家の宝刀も抜けず仕舞いか」という衝撃的なタイトルがつけられていた。 これによると岸田文雄首相は7月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせをしている席で、「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリと漏らしたという。

そのときの様子について「誰も予期せぬセリフを同席者はみな聞き流したというが、ことは来年9月までの自民党総裁任期をもって退陣も辞さないとする重大発言である。表沙汰になれば首相の求心力が一気に低下しかねず、内輪で箝口令が敷かれた」と書かれている。 また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。 岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
その文書には「来年9月の自民党総裁選への不出馬を示唆した岸田首相 支持率続落で一転弱気に。伝家の宝刀も抜けず仕舞いか」という衝撃的なタイトルがつけられていた。 これによると岸田文雄首相は7月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせをしている席で、「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリと漏らしたという。

そのときの様子について「誰も予期せぬセリフを同席者はみな聞き流したというが、ことは来年9月までの自民党総裁任期をもって退陣も辞さないとする重大発言である。表沙汰になれば首相の求心力が一気に低下しかねず、内輪で箝口令が敷かれた」と書かれている。 また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。 岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
その文書には「来年9月の自民党総裁選への不出馬を示唆した岸田首相 支持率続落で一転弱気に。伝家の宝刀も抜けず仕舞いか」という衝撃的なタイトルがつけられていた。
これによると岸田文雄首相は7月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせをしている席で、「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリと漏らしたという。

そのときの様子について「誰も予期せぬセリフを同席者はみな聞き流したというが、ことは来年9月までの自民党総裁任期をもって退陣も辞さないとする重大発言である。表沙汰になれば首相の求心力が一気に低下しかねず、内輪で箝口令が敷かれた」と書かれている。 また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。 岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
これによると岸田文雄首相は7月中旬、官邸内でごく少数の側近と打ち合わせをしている席で、「(来年の)総裁選には出ないかもな……」とポツリと漏らしたという。
そのときの様子について「誰も予期せぬセリフを同席者はみな聞き流したというが、ことは来年9月までの自民党総裁任期をもって退陣も辞さないとする重大発言である。表沙汰になれば首相の求心力が一気に低下しかねず、内輪で箝口令が敷かれた」と書かれている。
また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。 岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
また、発言の意図について首相周辺の言葉を引用し、「とにかく最近の首相は不機嫌でピリピリしている。あの発言も苛立ちから思わず出たものだろう。気を許す側近たちに何気に自身の窮状を訴えつつ、政権運営での奮起を求める思惑があるのではないか」と推測した。
岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書 首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書
岸田政権に激震 永田町に出回ったという怪文書

首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。 首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
首相を苛立たせている元凶については、首相公邸で長男・翔太郎氏が忘年会を開いた問題や、マイナンバーカードを巡るトラブルなどを列挙しながら、「首相が特に堪えているのは、週刊文春がこれでもかと報じている懐刀、木原誠二官房副長官の超弩級のスキャンダルだ。(中略)9月に予定している内閣改造・自民党役員人事で木原氏を切らざるを得ない状況だが、代わりになる最側近は存在しない」と指摘。
首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。 自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
首相の“伝家の宝刀”と呼ばれている衆議院解散について「今秋はおろか来年の党総裁任期までに断行できず、岸田政権は退陣を余儀なくされるという観測もまことしやかに流れ始めている」と書いて、筆を置いている。
自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。 支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。 岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
自民党総裁選は来年9月とまだ時間があるため、すでに岸田首相が不出馬という腹を決めているとは考えにくいが、火のないところに煙は立たぬ。
支持率続落や相次ぐ問題の中で苛立ちを隠せなくなっているのは間違いないだろう。
岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在 文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。 7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。
7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。 全国紙の政治部記者は語る。 「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。
全国紙の政治部記者は語る。
「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。 首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」 別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。
首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」
別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。 代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。 木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。
代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。
木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
木原誠二官房副長官(本人Facebookより) しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
木原誠二官房副長官(本人Facebookより)
木原誠二官房副長官(本人Facebookより)

しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。 誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。 さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。
誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。
さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。 官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。 一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。 実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。 支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。
官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。
一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。
実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。
支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
支持率回復のため拉致問題には前のめり 仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。 永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。 また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
仮に茂木氏が財務大臣にスライドされるとなると、党側から岸田首相を支える幹事長の後任人事が重要となってくる。
永田町周辺では小渕優子元経産大臣を大抜擢する案や、安定感のある梶山弘志幹事長代行を起用する案が出回っているが、どれも決め手に欠けているのが現状だ。
また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。 これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。 岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
また、岸田首相が頭を悩ませているのは人事だけではない。
これまで岸田政権の支持率上昇に寄与してきた、頼みの外交で空振りが続いているという課題もある。
岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。 ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。 しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
岸田首相は安倍内閣で外務大臣を約5年間続けてきたという経験もあり、外務省と二人三脚で5月に開かれたG7広島サミットの準備に奔走。
ゼレンスキー大統領が来日するというサプライズもあり、支持率上昇に寄与した。
しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。 報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。 苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
しかし、サミットのインパクトが大きすぎたせいだろうか。岸田首相は通常国会終了後もNATO首脳会議、サウジアラビアなどの中東訪問と精力的に外遊日程をこなすが、支持率が上昇することはなかった。
報道各社が実施する世論調査で発信される内容もマイナンバーカード一色で、むしろ内政問題での不手際が目立っている格好だ。
苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより) そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより)
苦境に立たされる岸田首相(本人Facebookより)

そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。 7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
そうしたなかでも、やはり外交で現状打破を狙っているのか、岸田首相が拉致問題の解決に向けて前のめりになっている。
7月5日には拉致被害者の曽我ひとみさんと官邸で面会し、日朝首脳会談の早期実施に向けて「私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と語ったが、時を同じくして日朝の実務者が中国やシンガポールで秘密裏に接触しているとの情報も流れ始めた。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。 一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。 最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や、軍備を増強する中国に対応するために日米韓の連携が強化されるなか、北朝鮮は朝鮮戦争の休戦協定調印70年を迎えた7月27日の戦勝記念日にロシアのショイグ国防相を呼ぶなど結びつきを強めており、日朝関係は一筋縄ではいかない情勢となっている。
一刻も早い拉致問題の解決が望まれるのは言うまでもないが、岸田首相が自身の支持率のために功を急げば、足元をすくわれかねないだろう。
最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。 はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。 取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
最側近のスキャンダルからマイナンバーカード、拉致問題まで内政、外交の両面で課題が山積だが、9月にも行われる内閣改造の時期はどんどんと迫ってきている。
はたして、岸田首相は難題が多い今年の「夏休みの宿題」をきちんと終わらすことができるのだろうか。酷暑の正念場を迎えている。
取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班
取材・文/宮原健太
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