猛烈な暑さに見舞われた北海道で野菜に異変です。大雨や高温多湿が続き、ブロッコリーやニンジンなどの露地野菜を中心に畑で作物が腐ってしまうという異常事態となっています。
■ニンジンが 「土の中で腐った」
例えば、収穫前のニンジンは土の中に生えたままドロドロにとけています。キャベツも地面になったまま黒ずみ。ブロッコリーも。収穫前の野菜がとける現象、これは一体…。
北海道江別市の農家です。
はぎわらファーム 萩原知世さん:「収穫する前の土の中で腐ることが多くなっていて、ここら辺もこの辺りもですね。ニンジンが腐って、そのまま土の中で腐っている状態。普通のだったらこう手で掘れるんですけど、こういうふうにドロドロになったりしちゃいます。土中で腐っている。あ、駄目だ。腐ってる」「(Q.それも?)腐ってますね。グジュグジュ。畑でゼリーになる手前ぐらい」
■「今年は異常」 キャベツ黒ずみ
ゼリー状になる一歩手前のニンジン。症状が進むと形も崩れ、ドロドロになってしまいます。キャベツもです。
はぎわらファーム 萩原知世さん:「(Q.なったまま腐るってなかなかない?)そうですよね。なかなかないですね、こういうことは」
原因は暑さと湿度だといいます。
はぎわらファーム 萩原知世さん:「夜の温度も下がらなかったんで、雨もそうですね、一気に降って一気に気温が上がると野菜は腐りやすくなる」
品目によっては半分以上が出荷できない状態。その影響は都内のスーパーにも及んでいます。
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長:「ニンジン、ジャガイモ、タマネギ。これは北海道の代表的な農産物。心のよりどころ。家計においては備蓄野菜の代表格だが、ちょっと安いニンジンを仕入れようと思うと、とけてます」
■畑で「ドロドロ」 北海道で悲鳴
高温は輸送の過程でも問題を引き起こしていました。収穫前の野菜が腐ってドロドロにとける現象。
はぎわらファーム 萩原知世さん:「におい嗅いで駄目だと、駄目ですね」
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長:「生産者の気持ちを考えると、本当にいたたまれない」
北海道からの輸送の過程で駄目になるケースもあるといいます。
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長:「ちょっと安いニンジンを仕入れようと思うと、とけてます。とけちゃっているんですよ。最悪の状況。かつてない状況だと思う」
そして、それはそのまま家計を直撃しています。
スーパーアキダイ 秋葉弘道社長:「これはね、馬鹿高い。物がなくなってます。もう取り合いになってますね」
取材した農家によりますと、近隣の直売所も品薄。エリア全体に同様の被害が広がっているようで、今後も予断を許さないといいます。