JR池袋駅で「盗撮をした」と声を掛けて金品を脅し取ったとして、警視庁池袋署が営利略取と恐喝の疑いで、職業不詳笹尾真世容疑者(24)=住所不定=を逮捕したことが29日、捜査関係者への取材で分かった。
同署は、笹尾容疑者が他の4人=恐喝容疑などで逮捕=らとともに盗撮行為を見つけて金品を脅し取る「盗撮ハンター」として活動し、1人当たり100万円程度を要求していたとみて調べる。
捜査関係者によると、メンバーの一人は「日曜日は休みで、それ以外はやっていた」と供述しており、脅し取った現金などはその日に活動していたメンバーで山分けしていた。過去の同様の事件を参考に、このメンバーが手口の模倣を提案。草野球チームの仲間などに声を掛け、昨年7月ごろからグループで池袋を拠点に活動するようになったという。
グループは盗撮した人を探す役と声掛け役、恐喝役などに役割を分担していた。被害女性の代理人を装って身分証を撮影して「示談金」を求め、消費者金融で現金を引き出させることもあった。
笹尾容疑者の逮捕容疑は5月31日午後7時20分~同9時10分ごろ、池袋駅の地下通路で、盗撮したとみられる男性に「警察に行くのと誠意を見せるのとどっちがいいか」などと声を掛け、示談金名目で100万円を要求。消費者金融で現金37万円を借りさせたほか、クレジットカードでビール券45万円分などを買わせ、脅し取った疑い。
同容疑者は「『示談したい』と勝手に(金品を)渡してきた」と容疑を否認しているという。
同様の被害者が他にもいるとみられ、同署は「後ろめたさを逆手に取った悪質な行為。心当たりがある人は相談に来てほしい」と呼び掛けている。