7月26 日正午過ぎ、国土交通省に姿を見せた、ビッグモーターの和泉伸二新社長。
約2時間にわたる国交省による聞き取り調査を終えて、取材に応じました。
報道陣から約25分間にわたって、様々な疑惑への回答を求められた新社長。記者から、社内の連絡ツールとして使用していたLINEを、会社支給の携帯電話から削除するよう全社員に通知したことに質問が及ぶと…。
ビッグモーター 和泉伸二 新社長:聞けば100個くらいのグループラインが作成されているということで。非常にLINEでの連絡だったり、報告だったりということが頻繁に起きていると。休みの日であってもそういう連絡の返答をしたりとか、そういったことが確認できましたので、まずいったん、即やめよう、縛るのはやめよう。
ーー過去の履歴が出てきたことへの対策では?ビッグモーター 和泉伸二 新社長:全く違います!(隠そうという意図は)ありません。隠蔽をするということでしたら、改革でもなんでもありませんから。
LINE削除について、「隠蔽の意図はない」と主張します。
しかし、LINEの削除によってやりとりや記録が消えてしまうと、調査に影響を及ぼすのではないかという指摘には言葉を濁しました。
ーーそれまでのやりとり保存しておかないと調査に影響があるのでは?ビッグモーター 和泉伸二 新社長:それはおっしゃる通りで、言われてみればそうだなと…。
ビッグモーターのLINEを巡っては、過去にLINEのやりとりから、店長を務めていた男性が、上司からのパワハラによりうつ病を発症。解雇され、訴訟に発展したケースもあったことが分かりました。
岐阜県内で、ビッグモーターの店長を務めていた、井川翔馬さん(当時29)。
他の店長らも参加するLINE上で、上司から暴言を送られうつ病を発症し、2021年6月に解雇されたといいます。その暴言の内容は以下のようなものでした。
「ふざけてんじゃねーよ」
「日本語大丈夫?」
「会話すら成立しないなら店長降りろタコが」
井川さんは2022年の8月、上司からのパワハラや残業代の未払いについて、会社に対して訴えを起こしたものの、その後交通事故に遭い29歳の若さで帰らぬ人となりました。
井川さんの死後、裁判は両親が引き継ぐ形となりました。井川さんの父親は、今の気持ちをこう話します。
井川さんの父親:客にサービス提供する器なんですか!あなた方は!と言いたいですよ。“タコ”という言葉があの会社は好きみたいなんですけど、そういった言葉を使って、LINEでやりとりされていた。「日本語分からねえのか」とか、おおよそ私の常識の中では指導とは思えないような、言葉遣いですよね。企業の社会的責任、お客様サービス、従業員サービスをきちんとやってほしい。それは翔馬の願いである。
めざまし8のコメンテーターでもある、ジャーナリストの岩田明子氏は、26日の新社長の発言を受けて、不安を口にします。
ジャーナリスト 岩田明子 氏:例えばおととい(25日)の記者会見なんか、いつ設定するとか、記者の数を制限するとか、こういったところは知恵を絞ったのだと思うのですが、肝心の言葉の中身。「知らなかった」「初めて知った」とか。新社長についても、LINE削除について「隠蔽の意図はない」とか。すごく漠然とした言葉しか出てこないとなると、頭を変えたとしても、新リーダーについても覚悟ですとか、企業風土を刷新するための具体的なメッセージというのが、全然聞こえてこないとなると、これはなかなか出直しというのは難しいのではないか。下手をすると、保険金不正請求以外の不祥事も出てきかねないという中で、「この程度の覚悟でいいのか?」というのは非常に強く感じました。
(めざまし8 7月27日放送)