林真須美死刑囚の長男に届いた手紙
和歌山市の夏祭り会場で4人が死亡し、63人が急性ヒ素中毒になった毒物カレー事件から25日で25年となった。殺人罪などに問われた林真須美死刑囚(62)の長男(35)によると林死刑囚は、大阪拘置所で6月に面会した際「私はやっていない」と変わらず無実を訴えたという。一方、今も後遺症に悩まされる被害者もおり、家族は「決して許せない」と憤る。
和歌山市に住む長男によると、約2カ月ぶりにアクリル板越しに面会した林死刑囚は、長年の拘置所生活で白髪交じり。顔にはしわが深く刻まれ、下の歯は虫歯でほとんどが抜け落ちた。長男に毎週のように届く手紙には、決まって「ちゃんと食べてる? 結婚しないのか?」と気遣う言葉が並んでいるという。
石塚伸一弁護士は「普段はよくしゃべり、意気揚々としている」と明かす。だが、2021年6月、林死刑囚の娘と孫が死亡した直後は「死にたい気持ちになった」と話し、自暴自棄だったと振り返る。
林死刑囚は25年間、一貫して事件への関与を否定。09年5月の死刑確定後、2度、再審請求している。
毒物カレー事件が起きた夏祭り会場=1998年7月25日、和歌山市