昨年、不倫疑惑相手とお笑いコンビ『赤字黒字』を結成し、『M-1グランプリ』に参戦した元衆議院議員の安藤裕氏(58)。異例ずくめの挑戦は、大きな注目を集めた。
「安藤さんは‘12年から衆議院議員を3期務めるも、’21年に司会業などでマルチに活躍するタレントの大奈さん(だいな・年齢非公開)との不倫スキャンダルを報じられ、政界を去りました。しかし昨年、渦中の相手となんと『M-1グランプリ』に出場。結果は1回戦敗退でしたが、インパクトは大きかったようです」(全国紙政治部記者)
2人は真っ向から不倫報道を否定。「ある議員の謀略で、不倫スキャンダルをでっち上げられた」と、今も大奈さんは憤る。そんな2人が次の挑戦に選んだのが政治団体の立ち上げだ。団体名はコンビ名と同じ「赤字黒字」。2人はインボイス制度への反対を掲げ、活動を展開していく予定だという。「STOP!インボイス 全国一揆」が6月14日に開催され、京都会場は「赤字黒字」が主催。団体の立ち上げは、その参加者に向けて最後に発表された。活動に至った経緯をこう明かす。
安藤「インボイス制度とは、極端な話ですが『お金のない人をピンポイントに狙った増税』だと思っています。それに今は経済が冷え込んでいる。増税をするタイミングとしても間違っています。そのことを広く訴えるために、活動をしていこうと考えています」
大奈「インボイス制度への反対は、今年に入ってからセンセイ(安藤氏)のユーチューブ『ひろしの視点』でも言ってきました。経済政策での共通項が多かったこともあり、れいわ新撰組代表の山本太郎さん(48)らと活動をしてきたのですが、いつまでも頼るわけにはいかないと思っていました。
そこで政治団体を立ち上げようとなったんです。インボイス制度の実施も10月に迫っていますからね。センセイが代表で、私が会計責任者です」
集会の途中には、『M-1』で培った経験を生かすような場面もあった。インボイス制度の問題点を伝えるため、2人がカツラをかぶり、特攻服に着替えて寸劇を披露。悪役に見立てたインボイスゾンビなるキャラが、「登録しろ」「登録しろ」とイベント参加者を襲って、インボイスに登録するとゾンビになるという設定。ここで対抗するのは、ボイコット大作戦。インボイスに登録したとしても「取り下げ書」を書くと、ゾンビから人間に戻るというものだ。
大奈「台本は前日に私が作りました。会場までの移動中に練習しましたが、ほぼぶっつけ本番状態でした。ただお互いに度胸もあって、滑舌もいいから無事に演じ切れました」
安藤「今はインボイス制度について反対をしていますが、そこを入り口に消費税の本質についても、多くの人に知ってもらいたい。インボイス制度へ異論を唱えているのは共産党や社民党の方々が多いので、一部の人たちには政党の色を気にしてか、制度は良いものだと逆張りする人もいる。ただ、私たちは間違っていることは間違っていると貫いていきたいです。目指すは消費税廃止です」
団体の届出は京都府で行ったというが、声がかかれば全国を回って活動するつもりだという。最後に2人は声を揃えて
「どこにでも呼んでちょう大奈(ダイナ)! 日本中で呼んでちょう大奈(ダイナ)!」
「2人とも度胸だけはある!」
と笑顔で呼びかけた。
政治団体の活動と並行して、今夏も『M-1』には参加するという。「赤字黒字」の挑戦はまだまだ続く。