東京都目黒区の自宅で母親(75)の自殺を手助けしたとして逮捕された歌舞伎俳優の市川猿之助(本名・喜熨斗孝彦)容疑者(47)が「睡眠薬は粉状にして飲ませた」という趣旨の話をしていることが28日、捜査関係者への取材で分かった。
猿之助容疑者の体内から2種類の睡眠薬が検出されたことも判明。警視庁捜査1課は、心中を図るため、母親にも同じ睡眠薬を飲ませたとみて調べる。
捜査関係者によると、猿之助容疑者は逮捕前の任意の聴取に対し、「睡眠薬はすりつぶして粉状にし、水に溶かして飲ませた」と説明。母親の意識が遠のいた後、顔にポリ袋をかぶせたなどと話した。
その後、同様の方法で自らも睡眠薬を服用して自殺を図ったとみられる。自宅の半地下のクローゼットで意識がもうろうとした状態で発見され、病院に搬送されたが命に別条はなかった。
猿之助容疑者から検出された2種類の睡眠薬は以前から通う病院で複数回、処方されたものだった。同じ睡眠薬の成分は、司法解剖の結果、母親の体からも検出され、死因は睡眠薬の服用による向精神薬中毒だった。
猿之助容疑者は5月17日午後5時~18日午前10時ごろ、目黒区の自宅で、母親に睡眠薬を服用させ、自殺するのを手助けしたとして、自殺ほう助容疑で逮捕された。
同月18日朝には自身のハラスメント疑惑に関する週刊誌報道があった。同容疑者は事前に報道が出ると知っていたとみられ、「週刊誌報道をきっかけに家族会議をし、皆でさよならすることにした」と話しているという。