岸田文雄総理大臣の秘書官を更迭された長男の翔太郎氏が、退職金やボーナスを受け取らない意向であることが分かりました。野党は、衆議院の解散に向けた動きだと警戒を強めています。
■「けじめつける」厳重注意から“更迭”へ
30日朝、報道陣の呼び掛けに一瞬笑みを見せた岸田総理。その周りに、長男・翔太郎秘書官の姿はありません。
事実上の更迭発表から一夜明け、国会では…。
立憲民主党・田島麻衣子参院議員:「ご長男の岸田翔太郎氏を交代させるということだが、これは“更迭”であると理解していいか?」
岸田総理:「交代の理由として、公邸の公的スペースにおける昨年の行動が公的立場にある総理秘書官として不適切であり、けじめをつけるために交代させる、このように申し上げています」
また「6月1日付」での辞職が、「夏のボーナスを受け取るためではないか」という指摘については、次のように述べました。
岸田総理:「退職金、あるいはいわゆるボーナス等については、辞退あるいは返納する旨、本人の意思を確認している」
厳重注意から一転“更迭”に踏み切った岸田総理。野党は…。
国民民主党・玉木雄一郎代表:「我々からしたら、解散総選挙に向けた環境作りを一つひとつ着実に行っているのかなと思います」
G7サミットの成功で支持率も上昇し、解散カードを切る環境が整ってきたなか、火種を早く消してしまいたいとの思いがあるのでは、というのです。
■自公緊迫 東京の火種 両党に“しこり”
しかし、政権にとってはもう一つ懸念材料があります。「自民党が公明党をつなぎとめられるか」という問題です。
東京28区の扱いを巡り、「東京での協力関係を解消する」と自民党に通告した公明党。30日に行われた幹事長会談で自民党は埼玉14区と愛知16区については譲歩し、公明党候補の協力要請に応じる方針を伝えました。
全国レベルではこれまで通り、選挙協力を続けていくことで一致しましたが、東京の火種は残ったまま。それぞれの党内に、少なからず“しこり”はあるようです。
公明党幹部:「自民党は時間をできるだけ稼いで引き延ばせば、(公明党が)態度を緩めるんじゃないかとか思っているかもしれないけど、そんなことはあり得ないからね」
自民党関係者:「政策的に見ても、憲法とかバラマキは全部公明党の言いなりになっていて、憲法改正とか自民党がやりたいことは進められない。戦略的にそろそろ1回、連立解消はありなんじゃない?」