リニア中央新幹線の工事を巡り、静岡県知事とJR東海の主張が平行線をたどるなか、今度は静岡県知事と山梨県知事との対立が問題となっています。24日、渦中の2人が対面しました。
■問題は…JR東海が進めている「ボーリング」
JR東海・丹羽俊介社長:「わが国全体にとって、大変重要なプロジェクトだという認識で進めてきている」
24日の会見で、改めてリニア中央新幹線の意義を強調したJR東海の丹羽社長。品川~名古屋間で2027年の開業を目指していますが、静岡県内の工事区間およそ9キロは未着工のままです。
その主な理由が、大井川の水資源への影響です。静岡県の川勝平太知事は、トンネルの掘削による地下水の流出に懸念を示し、JR東海と平行線の状態が続いています。
こうしたなか、今月になって新たな火種が…。
山梨県・長崎幸太郎知事:「静岡県の議論には、大変強い違和感を感じている。山梨県内の活動について、いかなる県であっても、我々の頭越しになにがしか言うのは、願わくば遠慮願いたい」
問題となっているのは、JR東海が山梨県内で静岡県に向かって進めている「ボーリング」です。
静岡県はJR東海に対し、県境まで300メートルに到達した時点でボーリングを止めるよう文書で強く求めましたが、山梨県の長崎知事は静岡県が事前の連絡なしに、山梨県内のことについて口出ししたことに、憤りを隠せません。
その2人が24日、関東地方知事会議に出席。席も隣同士でした。
川勝知事は携帯電話を出し、長崎知事に番号を伝えているようです。会議後、2人の知事は、次のように話しました。
川勝知事:「前もって何事によらず、情報を提供すると約束していた。今回、それを怠っていたので、おわびを申し上げた」
長崎知事:「山梨県の行政管轄について、静岡県にはそれを侵す意図はないと、川勝知事からいただいたので、それは良しとしていきたい」
ただ、川勝知事はJR東海へのボーリングの中止要請自体は撤回しておらず、開業までの道のりは険しいままです。