「先送りの許されない課題で、国会での検討を進めていく」──。岸田文雄首相は2月26日、自民党大会で安定的な皇位継承策についてこう表明した。現在、天皇の次の世代で皇位継承権を持つのは悠仁さま(16)のみ。この窮地を打開する鍵を握るのが、愛子さま(21)のお相手である。
【図解】伏見宮家─邦家親王─や、梨本宮家、久邇宮家などに分かれて繋がる旧11宮家の略系図【写真】着物姿の人もいる加陽宮一家 愛子さまは4月から、学習院大学への通学を本格的に始める。「これまではコロナ禍もありオンライン授業が続きましたが、大学側が4月からは原則として登校という方針を打ち出した。愛子さまにとっては文学部日本語日本文学科の4年生に進級するタイミングでようやくキャンパスライフが始まる。ご学友との交流も深まるでしょう」(宮内庁担当記者)

そんな愛子さまを巡り、やにわに盛り上がるのが将来のお相手選びだ。『週刊新潮』(3月16日号)は旧宮家である賀陽家の子息が結婚相手候補として浮上していると報じた。旧宮家とは戦後に皇籍離脱し、民間人として生活することになった11宮家をさす。「賀陽家もそのひとつで、現在、20代で未婚の男性が2人いる。今回お相手候補として名前が挙がったのは25歳の次男です」(同前) 皇位継承問題については2021年末、有識者会議が「女性皇族が結婚後も皇室に残る」「旧皇族の男系男子が養子として皇籍復帰する」の2案を提出したが、遅々として議論が進まない。冒頭の岸田発言もそうした現状を受けてのものだった。皇室制度に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏が語る。「皇族の養子縁組を禁じる現行の皇室典範を改正したうえで、例えばお子さまのいない常陸宮家が旧宮家の者と養子縁組し、その男性と愛子さまが結婚したとする。そして男子を産めば、その子は男系男子となります。仮に悠仁さまにお子さまがいなければ、愛子さまの息子が次の皇位継承者になれる。こういう理屈で、男系男子にこだわる自民党の保守派が旧宮家と愛子さまの結婚に前のめりになっているのです」 元NHK政治部記者の岩田明子氏は『月刊文藝春秋』(2022年12月号)に寄稿した「安倍晋三秘録」のなかで、安倍元首相が「旧皇族の男系男子が、現在の女性皇族の配偶者または養子になる場合、その男性も皇族となり、その子どもは皇位を継承し得る」との考えを示していたことを明かした。「すでに皇室担当記者たちは、愛子さまのお相手候補をまとめた極秘リストの作成に着手しているといいます」(皇室ジャーナリスト)旧五摂家の名前 リストの“一番上”に名前があるのは、やはり賀陽家だという。前出・宮内庁担当記者が語る。「当主の賀陽正憲氏は、皇籍離脱前は皇位継承順位8位だった賀陽宮恒憲氏の孫にあたる。天皇陛下とは学習院初等科から大学までの同級生で、メーカーや大手信託銀行勤務を経て宮内庁に転職しました。その後、外務省に出向しています。皇太子時代の陛下と雅子さまと食事をともにしたこともあり、天皇家とは非常に近しい関係です」 賀陽家に続く候補が他の旧宮家の面々だ。賀陽家のほか、久邇家、東久邇家、竹田家の3家にも男系男子がいる。 旧宮家の名前が挙がるのは皇位継承の他にも理由があるという。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が語る。「家系図が明確なので、一般人に比べてお相手やその一族の素性調査がしやすいのです。かつて宮内庁関係者を取材した際、“お相手選びで重要なのは現在でも将来でもない。過去だ”と話す人がいました。これは先祖代々の氏素性の把握を重視する姿勢の表われでした。“どこの馬の骨か分からない人を皇室に入れてはいけない”と公言する宮内庁幹部もいました」 その言葉を補強するように、ここにきて宮内庁が皇族のお相手選びに一層慎重になっていると明かすのは、前出の皇室ジャーナリストだ。「眞子さん(31)と小室圭さん(31)の結婚騒動です。圭さんの母親の金銭トラブルで2人の結婚に逆風が吹き荒れたのは記憶に新しい。あの一件以来、宮内庁はお相手やその家族の素性について、これまで以上に気にかけるようになったと言われています」 愛子さまの候補者リストには「旧華族」の名前も記されているという。華族とは明治政府によって身分と特権を与えられた元公家や元大名らで、戦後、日本国憲法が制定されるまで存続した。「なかでも近衛家、一条家、九条家、鷹司家、二条家の『旧五摂家』の男子が候補に入っています。鷹司家が秋篠宮さまの相談相手であるなど、これらの家はいまでも皇室との距離が近い。 旧華族がリストに挙がるのも、家柄がしっかりしており素性調査がしやすい点が理由のひとつでしょう。宮内庁としても、愛子さまの結婚相手を巡るトラブルはなんとしても避けたいはず」(皇室ジャーナリスト) 旧華族の親睦団体「霞会館」が、宮内庁の進めるお相手候補選びに協力しているとの報道もある。「過去には、旧華族で華道家元の池坊専永氏の孫や、幕末大名・島津久光の子孫である玉里島津家の子息の名前が取り沙汰されたこともありました」(同前)※週刊ポスト2023年4月7・14日号
愛子さまは4月から、学習院大学への通学を本格的に始める。
「これまではコロナ禍もありオンライン授業が続きましたが、大学側が4月からは原則として登校という方針を打ち出した。愛子さまにとっては文学部日本語日本文学科の4年生に進級するタイミングでようやくキャンパスライフが始まる。ご学友との交流も深まるでしょう」(宮内庁担当記者)
そんな愛子さまを巡り、やにわに盛り上がるのが将来のお相手選びだ。
『週刊新潮』(3月16日号)は旧宮家である賀陽家の子息が結婚相手候補として浮上していると報じた。旧宮家とは戦後に皇籍離脱し、民間人として生活することになった11宮家をさす。
「賀陽家もそのひとつで、現在、20代で未婚の男性が2人いる。今回お相手候補として名前が挙がったのは25歳の次男です」(同前)
皇位継承問題については2021年末、有識者会議が「女性皇族が結婚後も皇室に残る」「旧皇族の男系男子が養子として皇籍復帰する」の2案を提出したが、遅々として議論が進まない。冒頭の岸田発言もそうした現状を受けてのものだった。皇室制度に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏が語る。
「皇族の養子縁組を禁じる現行の皇室典範を改正したうえで、例えばお子さまのいない常陸宮家が旧宮家の者と養子縁組し、その男性と愛子さまが結婚したとする。そして男子を産めば、その子は男系男子となります。仮に悠仁さまにお子さまがいなければ、愛子さまの息子が次の皇位継承者になれる。こういう理屈で、男系男子にこだわる自民党の保守派が旧宮家と愛子さまの結婚に前のめりになっているのです」
元NHK政治部記者の岩田明子氏は『月刊文藝春秋』(2022年12月号)に寄稿した「安倍晋三秘録」のなかで、安倍元首相が「旧皇族の男系男子が、現在の女性皇族の配偶者または養子になる場合、その男性も皇族となり、その子どもは皇位を継承し得る」との考えを示していたことを明かした。
「すでに皇室担当記者たちは、愛子さまのお相手候補をまとめた極秘リストの作成に着手しているといいます」(皇室ジャーナリスト)
リストの“一番上”に名前があるのは、やはり賀陽家だという。前出・宮内庁担当記者が語る。
「当主の賀陽正憲氏は、皇籍離脱前は皇位継承順位8位だった賀陽宮恒憲氏の孫にあたる。天皇陛下とは学習院初等科から大学までの同級生で、メーカーや大手信託銀行勤務を経て宮内庁に転職しました。その後、外務省に出向しています。皇太子時代の陛下と雅子さまと食事をともにしたこともあり、天皇家とは非常に近しい関係です」
賀陽家に続く候補が他の旧宮家の面々だ。賀陽家のほか、久邇家、東久邇家、竹田家の3家にも男系男子がいる。
旧宮家の名前が挙がるのは皇位継承の他にも理由があるという。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が語る。
「家系図が明確なので、一般人に比べてお相手やその一族の素性調査がしやすいのです。かつて宮内庁関係者を取材した際、“お相手選びで重要なのは現在でも将来でもない。過去だ”と話す人がいました。これは先祖代々の氏素性の把握を重視する姿勢の表われでした。“どこの馬の骨か分からない人を皇室に入れてはいけない”と公言する宮内庁幹部もいました」
その言葉を補強するように、ここにきて宮内庁が皇族のお相手選びに一層慎重になっていると明かすのは、前出の皇室ジャーナリストだ。
「眞子さん(31)と小室圭さん(31)の結婚騒動です。圭さんの母親の金銭トラブルで2人の結婚に逆風が吹き荒れたのは記憶に新しい。あの一件以来、宮内庁はお相手やその家族の素性について、これまで以上に気にかけるようになったと言われています」
愛子さまの候補者リストには「旧華族」の名前も記されているという。華族とは明治政府によって身分と特権を与えられた元公家や元大名らで、戦後、日本国憲法が制定されるまで存続した。
「なかでも近衛家、一条家、九条家、鷹司家、二条家の『旧五摂家』の男子が候補に入っています。鷹司家が秋篠宮さまの相談相手であるなど、これらの家はいまでも皇室との距離が近い。
旧華族がリストに挙がるのも、家柄がしっかりしており素性調査がしやすい点が理由のひとつでしょう。宮内庁としても、愛子さまの結婚相手を巡るトラブルはなんとしても避けたいはず」(皇室ジャーナリスト)
旧華族の親睦団体「霞会館」が、宮内庁の進めるお相手候補選びに協力しているとの報道もある。
「過去には、旧華族で華道家元の池坊専永氏の孫や、幕末大名・島津久光の子孫である玉里島津家の子息の名前が取り沙汰されたこともありました」(同前)
※週刊ポスト2023年4月7・14日号