農水省がある呼びかけを行っています。「ビワの種子の粉末食べないで」。その理由は…“食べるとガンに効果がある”という情報がSNSで広がっていたためです。なぜ間違った情報を鵜呑みにしてしまうのでしょうか?【写真を見る】“食べるとガンに効果ある”!?SNSで拡散の「ビワの種」農水省は注意呼びかけ「食べないように」“ビワの種”食べないで…海外では死亡例も南波雅俊キャスター:これから旬を迎えていくビワ。河野太郎デジタル大臣も注意を呼びかけましたが、農水省としてもホームページで「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」と注意を呼びかけています。

ただ、SNS上では…「ビワはがんの特効薬種が毒というのは迷信」「ビワの種はがんに効くよこれはガチ」実際にビワ農家に取材をしますと…「焼酎に種を付けたものなどを欲しがる人も実際にいる。がんに効くと認識している人は結構いる」ビワの種ですが、気をつけなくてはいけないポイントがあります。そしてビワ意外にも気をつけなくてはいけない食材があります。なぜ種の粉末を食べてはいけないのかというところですが、ビワの種には“アミグダリン”という物質が含まれているんです。これを食べると、腸の中で、腸内細菌の酵素によって分解され毒性の強いシアン化水素(青酸)が発生するということなんです。このシアン化水素(青酸)の摂取量が多くなってきますと…頭痛、めまい、嘔吐など。そして海外では“アミグダリン”という物質の大量摂取で死亡例も実際にあるんです。過去、一部で“アミグダリン”はビタミンB17と言われていました。1970年代頃のアメリカやメキシコでは、実際にがんの治療にも使われていたということなんですが、その後研究が進む中で科学的根拠がないということもわかりました。足りなくても欠乏症などが起きないということもあって、現在ではビタミンの定義には該当しないとなっています。井上貴博キャスター:種については全然ピンとこなかったんですけど、ビワはやっぱり栄養価が高いので、ビワの木を植えると縁起が悪いみたいなことは聞いたことがあります。そこに人が集まってきちゃうから。それくらい昔、ビワは健康に良かったんだよというのは親から聞いたことあります。オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈代表:基本的にちゃんと熟してるものだったらもちろん大丈夫なのですが、やはり種は危ないっていうのは福祉局なども警告を出しています。食べるって発想が今までありませんでしたが…がんとか、何かにすがりたいっていうところがやっぱりあるので。科学的根拠がないっていうのは繰り返し昔からずっと言われてますけど、そういった話が消えないっていうのがあるのかもしれないですよね。ビワ以外にも…注意が必要な種とは?南波キャスター:確かに種をそのまま食べるということはなかなかないかもしれませんが、通販サイトなどを見てみると、種を粉末にしたものなどが結構売られています。それを接種するという方もいるのかもしれません。ただ、ビワ以外の食材にも注意が必要です。このアミグダリンを含む食材で言うと、ビワと同じバラ科の植物。例えば、梅や桃、すもも、杏などもそうなんですね。では、どの部分に気をつけなくてはいけないのかというところなんですが、果実は熟したものは安全です。例えば梅なども青い状態のものにはアミグダリンが多く含まれているそうなんですが、例えば梅酒にしたりとか、もしくは梅干しにするとアミグダリンが少なくなるということで安全に食べることが出来ます。熟す前の果実は少し危険もあるということなんですね。種に注意なんですけれども、特に種の粉末に注意してほしいということです。加工の仕方もあるんですが、例えば小さじ1杯程度の摂取でも悪影響がある量を摂取してしまう可能性もあるということです。粉末ですから、一気にたくさん摂取できるということもあって、粉末には「特に注意してほしい」と呼び掛けているポイントなんですよ。ホラン千秋キャスター:梅干しになっていれば比較的大丈夫なこともあるっていうことですか?種の中を割って食べる方いるじゃないですか。南波キャスター:種の中は駄目です!井上キャスター:よくないんだ。私はほぼ毎回小さいときとか…美味しいかって別にそうではないんですけど、種の中のあれを食べることがラッキーみたいな。この流れで言うことじゃないのかもしれないですけども。ホランキャスター:でも注意が必要ってことですね。食べていいと思ってたけど、ちょっと気をつけましょうっていう。南波キャスター:私も面倒くさがりなので種ごとバリバリ食べてしまったこともあったので…。量の問題なので大量に摂取すると危険ということです。例えばお茶として飲むものもあるんですけど、体に影響のある量を超えていなければ安全には摂取できるというものだそうです。なぜ誤情報が広がってしまうのか?南波キャスター:なぜこのビワの種ががんに効くという誤った情報を信じてしまうのかという構造について、健康食品の問題点などに詳しい島根大学の大野智教授に話を聞きました。「不安な気持ちを抱えて、インターネットなどで情報を調べると、間違った情報を“これが真実だ”と鵜呑みにしてしまうこともある」SNSなどの情報では“科学的根拠がないもの”もあるんですが…不安や恐怖心を埋めるために“誤情報を信じてしまう”ことがあるということです。がんに限らず、ちょっと不安でこんな症状があるなと思って調べたら、そうなんじゃないかなとなってしまう。分かるところはあると思います。実際にこうした事例は新型コロナでもありました。例えば当初、墓石などに使われる「花こう岩」がコロナに効くと言われていて、2020年のSNSでは「ウイルスの分解に即効性がある」というような不確かな情報が出回っていました。インターネット上のフリーマーケットサイトでは、花こう岩が数多く出品されていたというような事例もありました。井上アナウンサー:どのメディアでもありうることですし、今日まで信じられていたことが明日覆ることもあります。陰謀論とか東洋医学、生理学。何を信じるかというのは人それぞれですよね。「食べチョク」秋元代表:今SNSで情報入手される方も増えてると思うんですけど、やっぱり最近はアルゴリズムで自分の関心があるとか自分の思想に近い情報が見えるようになっています。それが全てだとどうしても近視眼的になっちゃう傾向は私も含めてですけど、あるんだろうなっていうのは感じています。なので、本当にそうかなって思ったときに、やっぱり公式の情報を一度引いた目線で調べてみるとか。そういった情報リテラシーというのは、より必要になってくるのかなというのを感じます。
農水省がある呼びかけを行っています。「ビワの種子の粉末食べないで」。その理由は…“食べるとガンに効果がある”という情報がSNSで広がっていたためです。なぜ間違った情報を鵜呑みにしてしまうのでしょうか?
【写真を見る】“食べるとガンに効果ある”!?SNSで拡散の「ビワの種」農水省は注意呼びかけ「食べないように」“ビワの種”食べないで…海外では死亡例も南波雅俊キャスター:これから旬を迎えていくビワ。河野太郎デジタル大臣も注意を呼びかけましたが、農水省としてもホームページで「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」と注意を呼びかけています。

ただ、SNS上では…「ビワはがんの特効薬種が毒というのは迷信」「ビワの種はがんに効くよこれはガチ」実際にビワ農家に取材をしますと…「焼酎に種を付けたものなどを欲しがる人も実際にいる。がんに効くと認識している人は結構いる」ビワの種ですが、気をつけなくてはいけないポイントがあります。そしてビワ意外にも気をつけなくてはいけない食材があります。なぜ種の粉末を食べてはいけないのかというところですが、ビワの種には“アミグダリン”という物質が含まれているんです。これを食べると、腸の中で、腸内細菌の酵素によって分解され毒性の強いシアン化水素(青酸)が発生するということなんです。このシアン化水素(青酸)の摂取量が多くなってきますと…頭痛、めまい、嘔吐など。そして海外では“アミグダリン”という物質の大量摂取で死亡例も実際にあるんです。過去、一部で“アミグダリン”はビタミンB17と言われていました。1970年代頃のアメリカやメキシコでは、実際にがんの治療にも使われていたということなんですが、その後研究が進む中で科学的根拠がないということもわかりました。足りなくても欠乏症などが起きないということもあって、現在ではビタミンの定義には該当しないとなっています。井上貴博キャスター:種については全然ピンとこなかったんですけど、ビワはやっぱり栄養価が高いので、ビワの木を植えると縁起が悪いみたいなことは聞いたことがあります。そこに人が集まってきちゃうから。それくらい昔、ビワは健康に良かったんだよというのは親から聞いたことあります。オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈代表:基本的にちゃんと熟してるものだったらもちろん大丈夫なのですが、やはり種は危ないっていうのは福祉局なども警告を出しています。食べるって発想が今までありませんでしたが…がんとか、何かにすがりたいっていうところがやっぱりあるので。科学的根拠がないっていうのは繰り返し昔からずっと言われてますけど、そういった話が消えないっていうのがあるのかもしれないですよね。ビワ以外にも…注意が必要な種とは?南波キャスター:確かに種をそのまま食べるということはなかなかないかもしれませんが、通販サイトなどを見てみると、種を粉末にしたものなどが結構売られています。それを接種するという方もいるのかもしれません。ただ、ビワ以外の食材にも注意が必要です。このアミグダリンを含む食材で言うと、ビワと同じバラ科の植物。例えば、梅や桃、すもも、杏などもそうなんですね。では、どの部分に気をつけなくてはいけないのかというところなんですが、果実は熟したものは安全です。例えば梅なども青い状態のものにはアミグダリンが多く含まれているそうなんですが、例えば梅酒にしたりとか、もしくは梅干しにするとアミグダリンが少なくなるということで安全に食べることが出来ます。熟す前の果実は少し危険もあるということなんですね。種に注意なんですけれども、特に種の粉末に注意してほしいということです。加工の仕方もあるんですが、例えば小さじ1杯程度の摂取でも悪影響がある量を摂取してしまう可能性もあるということです。粉末ですから、一気にたくさん摂取できるということもあって、粉末には「特に注意してほしい」と呼び掛けているポイントなんですよ。ホラン千秋キャスター:梅干しになっていれば比較的大丈夫なこともあるっていうことですか?種の中を割って食べる方いるじゃないですか。南波キャスター:種の中は駄目です!井上キャスター:よくないんだ。私はほぼ毎回小さいときとか…美味しいかって別にそうではないんですけど、種の中のあれを食べることがラッキーみたいな。この流れで言うことじゃないのかもしれないですけども。ホランキャスター:でも注意が必要ってことですね。食べていいと思ってたけど、ちょっと気をつけましょうっていう。南波キャスター:私も面倒くさがりなので種ごとバリバリ食べてしまったこともあったので…。量の問題なので大量に摂取すると危険ということです。例えばお茶として飲むものもあるんですけど、体に影響のある量を超えていなければ安全には摂取できるというものだそうです。なぜ誤情報が広がってしまうのか?南波キャスター:なぜこのビワの種ががんに効くという誤った情報を信じてしまうのかという構造について、健康食品の問題点などに詳しい島根大学の大野智教授に話を聞きました。「不安な気持ちを抱えて、インターネットなどで情報を調べると、間違った情報を“これが真実だ”と鵜呑みにしてしまうこともある」SNSなどの情報では“科学的根拠がないもの”もあるんですが…不安や恐怖心を埋めるために“誤情報を信じてしまう”ことがあるということです。がんに限らず、ちょっと不安でこんな症状があるなと思って調べたら、そうなんじゃないかなとなってしまう。分かるところはあると思います。実際にこうした事例は新型コロナでもありました。例えば当初、墓石などに使われる「花こう岩」がコロナに効くと言われていて、2020年のSNSでは「ウイルスの分解に即効性がある」というような不確かな情報が出回っていました。インターネット上のフリーマーケットサイトでは、花こう岩が数多く出品されていたというような事例もありました。井上アナウンサー:どのメディアでもありうることですし、今日まで信じられていたことが明日覆ることもあります。陰謀論とか東洋医学、生理学。何を信じるかというのは人それぞれですよね。「食べチョク」秋元代表:今SNSで情報入手される方も増えてると思うんですけど、やっぱり最近はアルゴリズムで自分の関心があるとか自分の思想に近い情報が見えるようになっています。それが全てだとどうしても近視眼的になっちゃう傾向は私も含めてですけど、あるんだろうなっていうのは感じています。なので、本当にそうかなって思ったときに、やっぱり公式の情報を一度引いた目線で調べてみるとか。そういった情報リテラシーというのは、より必要になってくるのかなというのを感じます。
南波雅俊キャスター:これから旬を迎えていくビワ。河野太郎デジタル大臣も注意を呼びかけましたが、農水省としてもホームページで「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」と注意を呼びかけています。
ただ、SNS上では…「ビワはがんの特効薬種が毒というのは迷信」「ビワの種はがんに効くよこれはガチ」
実際にビワ農家に取材をしますと…「焼酎に種を付けたものなどを欲しがる人も実際にいる。がんに効くと認識している人は結構いる」
ビワの種ですが、気をつけなくてはいけないポイントがあります。そしてビワ意外にも気をつけなくてはいけない食材があります。
なぜ種の粉末を食べてはいけないのかというところですが、ビワの種には“アミグダリン”という物質が含まれているんです。
これを食べると、腸の中で、腸内細菌の酵素によって分解され毒性の強いシアン化水素(青酸)が発生するということなんです。このシアン化水素(青酸)の摂取量が多くなってきますと…頭痛、めまい、嘔吐など。そして海外では“アミグダリン”という物質の大量摂取で死亡例も実際にあるんです。
過去、一部で“アミグダリン”はビタミンB17と言われていました。1970年代頃のアメリカやメキシコでは、実際にがんの治療にも使われていたということなんですが、その後研究が進む中で科学的根拠がないということもわかりました。足りなくても欠乏症などが起きないということもあって、現在ではビタミンの定義には該当しないとなっています。
井上貴博キャスター:種については全然ピンとこなかったんですけど、ビワはやっぱり栄養価が高いので、ビワの木を植えると縁起が悪いみたいなことは聞いたことがあります。そこに人が集まってきちゃうから。それくらい昔、ビワは健康に良かったんだよというのは親から聞いたことあります。
オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈代表:基本的にちゃんと熟してるものだったらもちろん大丈夫なのですが、やはり種は危ないっていうのは福祉局なども警告を出しています。食べるって発想が今までありませんでしたが…がんとか、何かにすがりたいっていうところがやっぱりあるので。科学的根拠がないっていうのは繰り返し昔からずっと言われてますけど、そういった話が消えないっていうのがあるのかもしれないですよね。
南波キャスター:確かに種をそのまま食べるということはなかなかないかもしれませんが、通販サイトなどを見てみると、種を粉末にしたものなどが結構売られています。それを接種するという方もいるのかもしれません。ただ、ビワ以外の食材にも注意が必要です。
このアミグダリンを含む食材で言うと、ビワと同じバラ科の植物。例えば、梅や桃、すもも、杏などもそうなんですね。
では、どの部分に気をつけなくてはいけないのかというところなんですが、果実は熟したものは安全です。例えば梅なども青い状態のものにはアミグダリンが多く含まれているそうなんですが、例えば梅酒にしたりとか、もしくは梅干しにするとアミグダリンが少なくなるということで安全に食べることが出来ます。熟す前の果実は少し危険もあるということなんですね。
種に注意なんですけれども、特に種の粉末に注意してほしいということです。加工の仕方もあるんですが、例えば小さじ1杯程度の摂取でも悪影響がある量を摂取してしまう可能性もあるということです。粉末ですから、一気にたくさん摂取できるということもあって、粉末には「特に注意してほしい」と呼び掛けているポイントなんですよ。
ホラン千秋キャスター:梅干しになっていれば比較的大丈夫なこともあるっていうことですか?種の中を割って食べる方いるじゃないですか。
南波キャスター:種の中は駄目です!
井上キャスター:よくないんだ。私はほぼ毎回小さいときとか…美味しいかって別にそうではないんですけど、種の中のあれを食べることがラッキーみたいな。この流れで言うことじゃないのかもしれないですけども。
ホランキャスター:でも注意が必要ってことですね。食べていいと思ってたけど、ちょっと気をつけましょうっていう。
南波キャスター:私も面倒くさがりなので種ごとバリバリ食べてしまったこともあったので…。
量の問題なので大量に摂取すると危険ということです。例えばお茶として飲むものもあるんですけど、体に影響のある量を超えていなければ安全には摂取できるというものだそうです。
南波キャスター:なぜこのビワの種ががんに効くという誤った情報を信じてしまうのかという構造について、健康食品の問題点などに詳しい島根大学の大野智教授に話を聞きました。
「不安な気持ちを抱えて、インターネットなどで情報を調べると、間違った情報を“これが真実だ”と鵜呑みにしてしまうこともある」
SNSなどの情報では“科学的根拠がないもの”もあるんですが…不安や恐怖心を埋めるために“誤情報を信じてしまう”ことがあるということです。
がんに限らず、ちょっと不安でこんな症状があるなと思って調べたら、そうなんじゃないかなとなってしまう。分かるところはあると思います。
実際にこうした事例は新型コロナでもありました。例えば当初、墓石などに使われる「花こう岩」がコロナに効くと言われていて、2020年のSNSでは「ウイルスの分解に即効性がある」というような不確かな情報が出回っていました。インターネット上のフリーマーケットサイトでは、花こう岩が数多く出品されていたというような事例もありました。
井上アナウンサー:どのメディアでもありうることですし、今日まで信じられていたことが明日覆ることもあります。陰謀論とか東洋医学、生理学。何を信じるかというのは人それぞれですよね。
「食べチョク」秋元代表:今SNSで情報入手される方も増えてると思うんですけど、やっぱり最近はアルゴリズムで自分の関心があるとか自分の思想に近い情報が見えるようになっています。それが全てだとどうしても近視眼的になっちゃう傾向は私も含めてですけど、あるんだろうなっていうのは感じています。