東京都狛江市の民家で住人の大塩衣与さん(90)が殺害された強盗殺人事件で、実行役として逮捕された容疑者は、ギャンブルで借金を重ねたり、団地の管理費滞納を繰り返したりしていた。
捜査関係者は「『生活が苦しい』『借金もある』などの理由が事件に向かわせた可能性はある」と指摘。警視庁調布署捜査本部は動機解明を急ぐとともに、容疑者らが高額報酬をうたう闇バイトに応募し、事件に関与したとみて調べている。
団地の管理組合などによると、野村広之容疑者(52)は、3~4年前から自身が暮らす団地の管理費や駐車場代をたびたび滞納。再三にわたり督促され、「払ってられるか」「ごちゃごちゃ言うな」と激高することもあった。
滞納が長引き、組合側が支払いを求めて訴訟を起こしたことも。今年も1月10日まで、昨年8~11月分の約10万円の滞納が続いたという。
一方で、駐車場には昨年から乗るようになったという国産の高級車が止まっていた。警視庁は24日、車内の証拠品を押収した。
狛江の事件以外にも、複数の強盗に関与したとされる永田陸人容疑者(21)は、競艇にのめり込むなどして借金を重ねたとされる。
勤務先の社長によると、ヤミ金業者から昨秋、「(永田容疑者を)出してください」という内容の電話が会社に2度かかってきた。同容疑者に問うと「ちゃんとやっておくので。すみません」と返答したという。
今年1月、同容疑者が別の事件で逮捕された直後にも会社に電話があったといい、「借金の数万円を立て替えるように求められた」と話した。
近所に住む男性は、「ヤミ金に追い込みを掛けられている」と明かされたことがある。どう返済するのかを聞くと、永田容疑者は「返すつもりはない」と言い切ったという。