「ルフィ」を名乗る広域連続強盗団と特殊詐欺グループのリーダー格、渡辺優樹容疑者(38)らフィリピンの入管施設に拘束されている日本人幹部4人は、来週にも日本に強制送還されるとみられる。
黒幕「ルフィ」ワルの履歴書 凶悪犯行手口の“原点”は11年前の札幌強盗事件 これまで渡辺容疑者率いる特殊詐欺グループが関与した事件の日本国内の被害者は約2300人、被害総額約35億円とされていたが、ナント、60億円超に上ることが分かった。 2021年4月、フィリピン当局に逮捕された特殊詐欺グループの幹部4人は入管施設に収容後は特殊詐欺ができなくなり、22年春以降は日本国内に向け、強盗を仕掛けるようになった。入管施設内から「テレグラム」を使って日本にいる実行役に指示を出し、30件以上の強盗事件に関与したとみられている。

今回、連続強盗のターゲットとなった家屋や店舗に共通するのが、多額の現金や複数の高級時計、装飾品などが保管されていること。昨年10月、東京都稲城市の住宅で宅配業者を装った8人組の男に現金約3500万円や金塊など約140点(約860万円相当)が奪われ、12月には中野区の不動産業者の自宅クローゼットから、隠していた現金約3000万円が強奪された。さらに先月起きた狛江市の襲撃事件では、現金被害こそなかったものの、「フランクミュラー」を含む高級時計3本とダイヤの指輪が奪われ、住人の高齢女性(90)が殺害された。盗んだ金塊や時計は、実行犯らが買い取り業者に持ち込んで売却していた。 指示役たちはフィリピンにいながら、どうやって被害者宅の資産状況や金庫の場所などカネのありかを知り得たのか。「間取りや奉公人の数を探る、昔で言ういわゆる『嘗役』から情報を買うのです」と、裏社会に詳しい関係者がこう続ける。■資産に応じて上がる情報提供料「引っ越し屋やエアコン、家電設置業者、ネット通信業者など、作業員が家に上がることは結構あります。そういった業者から情報屋が間取りや貴重品の保管場所を聞き出すのです。工事や設置終了後に撮影した室内の画像が出回ることもあります。カネがありそうなところほど情報料は高く、金庫の場所など具体的な情報があればさらに高額になる。そうやって裏社会の間で闇情報がやりとりされています。実行犯がピンポイントで多額のカネを奪えたのも、事前に確度の高い情報を入手していたからではないか」 実行犯たちは、指示役から「自宅にカネのある家は被害届を出したくても出せないから、パクられない」と知恵をつけられているという。「現金を自宅で保管しているということは、金融機関に預けられないなど、何らかの事情を抱えています。今回の被害者は別として、税務署に見つかったらマズい、あるいはカネの入手経路が明らかになると、商売に影響が出るケースもある。たとえば金塊や薬物の取引などは、現金のみです。取引相手から『あの家には今、大金がある』という情報も入ります。奪う方にしてみれば、マトモなカネじゃないから被害申告もしないだろうとタカをくくり、躊躇なく犯行を繰り返すのです」(捜査事情通) 道理で「闇バイト」で寄せ集めただけのド素人集団が、いとも簡単に大金を奪えたわけだ。
これまで渡辺容疑者率いる特殊詐欺グループが関与した事件の日本国内の被害者は約2300人、被害総額約35億円とされていたが、ナント、60億円超に上ることが分かった。
2021年4月、フィリピン当局に逮捕された特殊詐欺グループの幹部4人は入管施設に収容後は特殊詐欺ができなくなり、22年春以降は日本国内に向け、強盗を仕掛けるようになった。入管施設内から「テレグラム」を使って日本にいる実行役に指示を出し、30件以上の強盗事件に関与したとみられている。
今回、連続強盗のターゲットとなった家屋や店舗に共通するのが、多額の現金や複数の高級時計、装飾品などが保管されていること。昨年10月、東京都稲城市の住宅で宅配業者を装った8人組の男に現金約3500万円や金塊など約140点(約860万円相当)が奪われ、12月には中野区の不動産業者の自宅クローゼットから、隠していた現金約3000万円が強奪された。さらに先月起きた狛江市の襲撃事件では、現金被害こそなかったものの、「フランクミュラー」を含む高級時計3本とダイヤの指輪が奪われ、住人の高齢女性(90)が殺害された。盗んだ金塊や時計は、実行犯らが買い取り業者に持ち込んで売却していた。
指示役たちはフィリピンにいながら、どうやって被害者宅の資産状況や金庫の場所などカネのありかを知り得たのか。
「間取りや奉公人の数を探る、昔で言ういわゆる『嘗役』から情報を買うのです」と、裏社会に詳しい関係者がこう続ける。
■資産に応じて上がる情報提供料
「引っ越し屋やエアコン、家電設置業者、ネット通信業者など、作業員が家に上がることは結構あります。そういった業者から情報屋が間取りや貴重品の保管場所を聞き出すのです。工事や設置終了後に撮影した室内の画像が出回ることもあります。カネがありそうなところほど情報料は高く、金庫の場所など具体的な情報があればさらに高額になる。そうやって裏社会の間で闇情報がやりとりされています。実行犯がピンポイントで多額のカネを奪えたのも、事前に確度の高い情報を入手していたからではないか」
実行犯たちは、指示役から「自宅にカネのある家は被害届を出したくても出せないから、パクられない」と知恵をつけられているという。
「現金を自宅で保管しているということは、金融機関に預けられないなど、何らかの事情を抱えています。今回の被害者は別として、税務署に見つかったらマズい、あるいはカネの入手経路が明らかになると、商売に影響が出るケースもある。たとえば金塊や薬物の取引などは、現金のみです。取引相手から『あの家には今、大金がある』という情報も入ります。奪う方にしてみれば、マトモなカネじゃないから被害申告もしないだろうとタカをくくり、躊躇なく犯行を繰り返すのです」(捜査事情通)
道理で「闇バイト」で寄せ集めただけのド素人集団が、いとも簡単に大金を奪えたわけだ。