岸田文雄首相の長男・翔太郎秘書官(31)の「公用車での観光疑惑」を週刊新潮が報じ、国会でも取り上げられる事態となっている。新米政務秘書官が仕事がなさすぎてヒマを持て余した結果、公用車で観光に出向いたということのようだが、国民の厳しい目をよそに首相の側近は「大した問題じゃない」と火消しに走っていたという。
【写真を見る】外遊先で“観光三昧”だった岸田総理の息子・翔太郎氏(32) 1月9日から15日まで首相と共に向かった欧米歴訪で、翔太郎氏の観光問題が浮上した。

週刊新潮によれば、人生で初めて訪れたパリでは大使館が回したクルマで市内を観光し、夕食は希望のビストロで過ごした。続くロンドンでは公用車でビッグペンとバッキンガム宮殿を見て、百貨店ハロッズでショッピング。その後のカナダではオタワの市場でお土産などを購入していたという。岸田首相と長男で政務秘書官の翔太郎氏「政務秘書官は経産次官を務め、首相と同じ開成OBの嶋田隆氏と翔太郎氏の2人体制です。政治的な調整については嶋田氏が担っているので、翔太郎氏には出番がない。今回もヒマで仕方なく、観光に出る他なかったというふうに内輪では説明がなされているようです。しかし、だったらなんで行くの? という疑問がつきまとうわけですが(笑)」 と、政治部デスク。翔太郎氏は悪くないとの声「歴訪に同行させることは首相が最終判断したのだと思います。去年の秋に政務担当の秘書官になったのも首相の判断。首相の働きぶりをそばで見ることを将来の政治家人生に生かしてほしいという親心からですが、これは親バカと言われても仕方がないでしょう。当然、世間からも批判を受け続けていますね」(同) 翔太郎氏が日本の将来を託せる有為な人材であるという評価を得ているのなら、それもまた必要なステップだと理解されたかもしれないが、目下、世間からそのような評価を得るには至っていない。「岸田内閣の支持率が“だだ下がり”する中での秘書官就任でしたから、無理もありません。首相は長男を秘書官に起用して担当される仕事として、休日や深夜も問わぬ24時間態勢での情報伝達やSNS発信をあげていましたが、今どき24時間を強調するのも首を傾げますし、SNS発信も彼でなければできないことではない。案の定、支持率は下落しました」(同) 今回の行動に話を戻すと、驚いたことに首相周辺には反省の色は見えないという。「翔太郎氏がついて行くとなった時点で今回のような行動は予想されました。それでも首相周辺の各省庁出身秘書官らは、“なぜ漏れたのか?”“翔太郎氏は悪くない”とかばっている様子です」(同)令和の官僚としては失格 元々、彼ら秘書官は首相への忠誠心が高いという。加えて永田町や霞ヶ関の論理なら、「外遊中にお土産を買うのは常識で慣行」ということらしい。「このタイミングで慣行と口にすると、それは観光の間違いじゃないの?と揶揄されてしまいそうですよね(笑)。ただ、慣行というのはウソではなく、長く永田町や霞ヶ関にいる人の方が外遊先でお土産を買うのを常識と捉える傾向にありますね。しかし、一般の人なら海外旅行でのショッピングは当たり前ですが、ただでさえ翔太郎氏への逆風が吹く中で、彼を同行させたり野放しにしたりしたのは間違いだったと思います」(同) さらに秘書官らは、今回の行程が漏れたことにも不満を持っているというが……。「トップシークレットじゃないんだから漏れますよ(笑)。あんまりそういうことに文句を言うより、岸田首相への不満の表れだと謙虚に受け止めるなどして仕事に向かった方が良いと思いますがね」 と、自民党のある閣僚経験者。「世間では税金を使っての振る舞いに厳しいものがあり、この見方がこれ以上緩くなることはもうない。それを自覚していない時点で令和の官僚としては失格でしょう」(同)初のパリは疑問 毎度のことながら、永田町や霞ヶ関の常識は世間の非常識ということなのだろう。秘書官の振る舞いの非常識を悔いるのではなく、それが漏れたことや世間の反応に不満を抱いているのだとすると救いようがない。 この閣僚経験者はこんな風に続けた。「一昔前なら、若い人が見聞を広めて、仕事に生かすことは悪くないだろうといった大らかな受け止め方もあったのかもしれません。しかし、社会がかなり疲弊しているということもあってか、許容できる範囲は狭まっているのでしょう。批判が強い背景には、岸田内閣への根強い不信感があるのは言うまでもありませんが。 それにしても、三井物産にいたこともある人が、31歳になるまでパリに行ったことがなくてはしゃいでいたと聞いて驚きました。そんなに喜ぶくらい憧れていたのなら、もっと早くに旅行に行っておけばよかったのにね」(同) 改めて言うまでもなく、欧州ではロシアとウクライナの戦争が続いており、これ以上ないほど緊迫した状況にある。岸田首相は各国首脳とこの問題について真剣に意見を交換したと語っている。しかしその首脳たちも、まさか相手の息子が呑気に観光地めぐりをしていたとは思いもよらなかったのではないか。デイリー新潮編集部
1月9日から15日まで首相と共に向かった欧米歴訪で、翔太郎氏の観光問題が浮上した。
週刊新潮によれば、人生で初めて訪れたパリでは大使館が回したクルマで市内を観光し、夕食は希望のビストロで過ごした。続くロンドンでは公用車でビッグペンとバッキンガム宮殿を見て、百貨店ハロッズでショッピング。その後のカナダではオタワの市場でお土産などを購入していたという。
「政務秘書官は経産次官を務め、首相と同じ開成OBの嶋田隆氏と翔太郎氏の2人体制です。政治的な調整については嶋田氏が担っているので、翔太郎氏には出番がない。今回もヒマで仕方なく、観光に出る他なかったというふうに内輪では説明がなされているようです。しかし、だったらなんで行くの? という疑問がつきまとうわけですが(笑)」
と、政治部デスク。
「歴訪に同行させることは首相が最終判断したのだと思います。去年の秋に政務担当の秘書官になったのも首相の判断。首相の働きぶりをそばで見ることを将来の政治家人生に生かしてほしいという親心からですが、これは親バカと言われても仕方がないでしょう。当然、世間からも批判を受け続けていますね」(同)
翔太郎氏が日本の将来を託せる有為な人材であるという評価を得ているのなら、それもまた必要なステップだと理解されたかもしれないが、目下、世間からそのような評価を得るには至っていない。
「岸田内閣の支持率が“だだ下がり”する中での秘書官就任でしたから、無理もありません。首相は長男を秘書官に起用して担当される仕事として、休日や深夜も問わぬ24時間態勢での情報伝達やSNS発信をあげていましたが、今どき24時間を強調するのも首を傾げますし、SNS発信も彼でなければできないことではない。案の定、支持率は下落しました」(同)
今回の行動に話を戻すと、驚いたことに首相周辺には反省の色は見えないという。
「翔太郎氏がついて行くとなった時点で今回のような行動は予想されました。それでも首相周辺の各省庁出身秘書官らは、“なぜ漏れたのか?”“翔太郎氏は悪くない”とかばっている様子です」(同)
元々、彼ら秘書官は首相への忠誠心が高いという。加えて永田町や霞ヶ関の論理なら、「外遊中にお土産を買うのは常識で慣行」ということらしい。
「このタイミングで慣行と口にすると、それは観光の間違いじゃないの?と揶揄されてしまいそうですよね(笑)。ただ、慣行というのはウソではなく、長く永田町や霞ヶ関にいる人の方が外遊先でお土産を買うのを常識と捉える傾向にありますね。しかし、一般の人なら海外旅行でのショッピングは当たり前ですが、ただでさえ翔太郎氏への逆風が吹く中で、彼を同行させたり野放しにしたりしたのは間違いだったと思います」(同)
さらに秘書官らは、今回の行程が漏れたことにも不満を持っているというが……。
「トップシークレットじゃないんだから漏れますよ(笑)。あんまりそういうことに文句を言うより、岸田首相への不満の表れだと謙虚に受け止めるなどして仕事に向かった方が良いと思いますがね」
と、自民党のある閣僚経験者。
「世間では税金を使っての振る舞いに厳しいものがあり、この見方がこれ以上緩くなることはもうない。それを自覚していない時点で令和の官僚としては失格でしょう」(同)
毎度のことながら、永田町や霞ヶ関の常識は世間の非常識ということなのだろう。秘書官の振る舞いの非常識を悔いるのではなく、それが漏れたことや世間の反応に不満を抱いているのだとすると救いようがない。
この閣僚経験者はこんな風に続けた。
「一昔前なら、若い人が見聞を広めて、仕事に生かすことは悪くないだろうといった大らかな受け止め方もあったのかもしれません。しかし、社会がかなり疲弊しているということもあってか、許容できる範囲は狭まっているのでしょう。批判が強い背景には、岸田内閣への根強い不信感があるのは言うまでもありませんが。
それにしても、三井物産にいたこともある人が、31歳になるまでパリに行ったことがなくてはしゃいでいたと聞いて驚きました。そんなに喜ぶくらい憧れていたのなら、もっと早くに旅行に行っておけばよかったのにね」(同)
改めて言うまでもなく、欧州ではロシアとウクライナの戦争が続いており、これ以上ないほど緊迫した状況にある。岸田首相は各国首脳とこの問題について真剣に意見を交換したと語っている。しかしその首脳たちも、まさか相手の息子が呑気に観光地めぐりをしていたとは思いもよらなかったのではないか。
デイリー新潮編集部