全国で相次ぐ強盗事件を巡り、フィリピンから強制送還された渡辺優樹容疑者(38)をリーダー格とする特殊詐欺グループのメンバーだった日本人の女が、フィリピン国内で身柄を拘束され、警視庁が送還を求めていることが13日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁はほかにも詐欺に関与した複数のメンバーが同国内にいるとみて捜査している。
捜査関係者によると、女は山田李沙容疑者(26)。渡辺容疑者の特殊詐欺グループのメンバーで、日本国内にの電話をかける「かけ子」の1人とみられ、窃盗容疑で逮捕状が出ている。山田容疑者は1月、フィリピン当局に身柄を拘束され、入管施設に収容されているという。
渡辺容疑者の詐欺グループを巡っては、令和元年11月、フィリピン当局がかけ子36人を拘束。渡辺容疑者や山田容疑者らは当時、拘束を免れ、その後もフィリピンで特殊詐欺を繰り返していた疑いがあり、ほかにもメンバー数十人が逃走したとみられるという。
今月7~9日、渡辺容疑者のほか、藤田聖也容疑者(38)、今村磨人容疑者(38)小島智信容疑者(45)ら4人が、フィリピンから日本へ強制送還され、特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で警視庁に逮捕された。
渡辺容疑者らは、一連の広域強盗事件で、「ルフィ」などと名乗り、通信アプリ「テレグラム」を使って実行役に指示を出していたとみられる。警視庁は4人の取り調べやフィリピン当局から提供を受けた携帯電話の解析などを通じて組織の実態や指示系統などの解明を進める方針。