山形県鶴岡市で先月31日、大規模な土砂崩れが起き、およそ10軒の建物が倒壊し、男女2人が死亡しました。
■住民「他の場所も点検してほしい」
鶴岡市・皆川治市長:「住民の帰還と二次被害の防止を両立させていくことが、大事な課題になると思っております」
市は今月3日、現場周辺の住民らを対象に説明会を開き、集まったおよそ40人に被害の状況や、今後の対応などについて報告しました。
これに対し、住民からは、他の場所も点検してほしいなど不安の声が聞かれました。
説明会に参加した住民:「50年前くらいなんでしょうか。(現場は)切り出された、開拓された部分だったので。昔の集落とは性格が違う場所なので。そんな場所は他にもあるだろうと思うので。そういう所の安全性も点検してほしいなと思いました」
■専門家「雨の量も多かったので…」
国土地理院が公開している航空写真では、1962年、現場周辺は樹木が生い茂り、住宅などは見当たりません。
1976年になると、広い範囲で山肌などが削られ、茶色い土砂がむき出しになっているのが分かります。
そして、2016年の写真では、その場所に複数の住宅や建物が建っているのが確認できます。
土砂災害に詳しい専門家は、あくまで写真を見た限りの見解としたうえで、次のように指摘します。
東京大学・太田猛彦名誉教授:「人によって改変されていたりする時は、だいたい山すそを削るので。そうすると、斜面は不安定化している。12月全体で見ると、降水量が500ミリ以上観測。これが非常に大きいです。雨の量も多かったので、今回はこの時点で、この斜面は崩れてしまったと」
警察は、死亡が確認された男女2人についてDNA型鑑定などを行うなどして、身元の特定を進めています。