7日朝、成田空港から福岡空港に向かっていた格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン501便エアバスA320(乗客136人、乗員6人)が爆破予告を受け、中部空港に緊急着陸する騒動があった。
日本航空とのコードシェア便だった同機は午前6時36分に成田空港を離陸したが、同18分ごろ同空港のインフォメーションセンターにドイツから発信したような通知の電話が着信。英語で501便を名指ししたうえで、「100キロのプラスチック爆弾を貨物室に仕掛けた。マネジャーを出さないと爆破する」との趣旨だったという。
同7時33分に中部空港の管理会社が愛知県警に緊急着陸の通報を行い、同機は同40分ごろに着陸。乗客、乗員は脱出用シューターで避難し、その際に5人がケガをした。その後、貨物室や機内を調べたが、爆発物は見つからず、閉鎖されていた滑走路は午後0時15分に再開された。
この影響で約60便が欠航し、3連休の初日で多くの利用者が影響を受けた。警察は威力業務妨害容疑も視野に捜査を進めている。ジェットスター・ジャパンの親会社は豪州のカンタス航空で、ドイツ発信を示す電話だったことから、単なるイタズラや嫌がらせではなく、どのような対応をするかの探りを入れた可能性もある。
また航空マニアを驚かせたのは、緊急着陸した中部空港にはウクライナの大型貨物機アントノフAn―124ルスラーンが飛来しており、緊急着陸したジェットスター機のすぐ近くに停止したことで、ネット上では「狙いはこれでは?」との書き込みもあふれた。
ルスラーンも騒動の影響を受けたが、その後、無事離陸した。ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、国際情勢が不安定となっている中、不穏な爆破予告騒動で、関係者は対応に追われる1日となった。