堺市中区小阪の市道で夜間パトロールをしていた男性4人が車にはねられ、2人が死亡したひき逃げ事件で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕された同市中区小阪西町の建設作業員、猪木康之容疑者(49)が「電柱か何かにぶつかったと思った」と供述していることが30日、大阪府警中堺署への取材で分かった。
府警が詳しい状況を調べている。
府警は30日朝、同容疑で猪木容疑者を送検した。猪木容疑者は、「音や衝撃で事故に気付いた。何にあたったかはよく分からず、電柱か何かにぶつかったと思った」などと説明し、被害者への謝罪の言葉はないという。
現場に目立ったブレーキ痕は確認されておらず、付近に電柱はない。府警は、猪木容疑者が現場から立ち去った理由などを含め詳しい経緯を調べている。これまでの調べに対し、猪木容疑者は「人をはねたという認識はなかった」と容疑を一部否認している。
猪木容疑者の送検容疑は27日夜、同市中区小阪の市道で乗用車を運転中、夜間パトロール中の4人をはね、近くの大阪市職員の山中正規(まさのり)さん(46)と内装業の村上伸治さん(47)を死亡させ、40代の男性2人に軽傷を負わせたにもかかわらず、逃走したとしている。
現場は片側1車線の歩道のない直線道路。パトロール中の8人が道路の端を歩いていたところ、猪木容疑者の車が後ろから衝突した。