とにかく暑かった今年の夏。例年よりも「アイス」を食べたという方も多いのでは? しかし、アイスの生産方法について意外と知られていないですよね。そこで、ESSE onlineのアミューズメント担当・編集Yが、赤城乳業の「本庄千本さくら『5S』工場」を取材。「20分間食べ放題」を経験してきました!
アイスといえば「ガリガリ君」、という方も多いのではないでしょうか。それほどの知名度を誇るガリガリ君が生産されているのが、「本庄千本さくら『5S』工場」です。
工場見学は毎月1日にHP上から先着順(見学希望月の2か月前の1日から予約可能、7・8・11月は抽選)で応募することができますが、毎回人気すぎて予約が取れないと話題で、先着順の時期は即日予約が埋まってしまうことも!
いかにガリガリ君が愛されているかわかります。運よく予約できたらいざ工場見学へ。
「本庄千本さくら『5S』工場」は、JR高崎線本庄駅からクルマで約20分。少し駅から離れているため、バスを利用するか、もしくは駐車場を完備しているので自家用車で来訪することも可能です。
工場の入り口では「ガリガリ君」がお出迎え。
受付をすませて早速建物内に入ると、そこにはガリガリ君の顔はめなどフォトスポットが満載です!
さらに集合場所である1つ上の階まで上がると、ソフトクリームを模したソファを発見! ほかにも「sof’」のオブジェやガリガリ君のパネルなど、ファンにはたまらないアイテムが置かれているので、時間まで楽しく待つことができます。少し早めに到着して、ここでのひとときを楽しむのもおすすめです。
予約時間がきたら、期待を胸にいよいよ工場内へと。中へはこのガリガリ君の口(扉)から入場。まるでガリガリ君の中に入ってく感じでドキドキします…!
ツアーは、工場内をガイドさんの説明を受けながら約90分間で見学していきます。
入場した先にまず展示されているのがこちらの作業服。赤城乳業では3種類の服が存在します。
写真左が工場の外でおもに着る「外着」。真ん中は「構内着」と呼ばれ、食事やお手洗いを利用する際に着用する中間着です。さらに製造ラインで着るのが右の「製造着」。製造エリアで着用するクリーンスーツには、静電効果の高い素材のため、髪の毛や異物の不着を防ぐ効果があるのだとか。
さらにすごいのが、製造着にICチップが内蔵されているということ。製造室へ入室する際には必ずこのICチップを読み取りリーダーにかざさないと入れません。こうすることで、誰がいつ入ったのか明確化されてセキュリティ対策も万全!
先へ進むと、アイスの検査やチェックを行っている「検査室」に到着。ここでは、実際に作業されている様子を見ることができます。赤城乳業では、安心・安全でおいしいアイスを届けるために24時間体制でチェックを行っているのだとか。
ちなみに工場名になっている『5S』とは、整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字である“S”をとったもの。口に入れる食品だからこそ、こうした衛生面や品質の徹底した管理を間近でみると安心できますよね。
さらに進むとそこには赤城乳業の歩みがわかる展示エリアに。そこで、編集Yが「こんなのも出してたの!?」と気になった製品をご紹介します。
今でこそ種類豊富な「冷凍食品」ですが、なんと赤城乳業も一時期「みそ汁」や「野菜スープ」など取り扱っていたそうです。
なかには、「冷凍カレー」という変わり種も。今は売られていませんが、時代を先取りしすぎのでしょう。ぜひ再販して欲しい商品です!
つづいては1992年頃に発売された「Super Melon(スーパーメロン)」。メロンを模した大きなカップの中にメロンシャーベット入れた氷菓(アイスクリーやシャーベットなど)は、ホームアイスの新しい形として販売。
パッケージ右下の970円という価格は当時のものですが、今でもその価格のアイスは高級帯。ちなみに現在だと、カップのQ’sメロンをはじめとしたお手頃価格のメロンアイスも多々販売していますよ!
ここまでアイスそのものについてご紹介しましたが、次はちょっと変わったキャンペーンをご紹介。ガリガリ君の「当たり」もそうですが、アイスを買って応募すれば○○が当たる! などのキャンペーンは特別感が楽しめていいですよね。
しかし、1988年頃に行われた「カブト君とくわがた君」のキャンペーンでは、なんと抽選で総計10000名に本物の「カブトムシかクワガタ」をプレゼントしていたのだとか…! 「オスとメス」のペアというのもいろんな意味で気が利いていてびっくり。当選者のリアルな反応が気になるところ。
そして忘れてはいけないのが「ガリガリ君」。今まで何回かパッケージのリニューアルが行われてきましたのが、衝撃だったのがコチラ。
1980年代のガリガリ君です。正直かわいい…とは程遠いですが、いろいろな意味でガリガリ君! という感じはすごくしますよね。ふと、入り口で出会った愛らしいフォルムのガリガリ君を思い出して、「よかったね…」と心の中で思ったのはここだけの話です。
歴史を感じたところで、いよいよアイスの製造ラインへと。残念ながらこちらは撮影NG。ただ、今回は特別に許可を頂いて一部を公開します。
左にある円状のものはガリガリ君のラベル。1ロール1800メートルで、ガリガリ君のパッケージは約9000個つくることができます! 少し話はそれますが、じつはガリガリ君のパッケージは3種類存在。ぜひ店頭で見かけたときはパッケージの違いチェックしてみてくださいね。
右上には「当たり」の印字に使った歴代のハンコがずらり。なかなか当たらないものなので、出合えたときの感動はひとしお。いろいろな種類があったとは驚きです!
さらに、こちらではガリガリ君のアタリ体験ができるコーナーも。アイス型の模型を引いて当たりが出たらラッキー! ちなみにガリガリ君を購入してもなかなか当たりに出合えない編集Yが、赤城乳業の方に「当たりって本当にあるんですか?」と伺ったところ、具体的な数字は公表できないものの、「一定数の割合で入ってます」との答えが。
なお、製造ラインでは実際に当たり棒をアイスに挿しているところも見ることができるので、ぜひ注意深く見るのがおすすめです。
ガリガリ君といえば、あの透き通った青色が印象的ですよね。あの青色は「ガリブルー」という色名。
こちらがその青色の素となる液体。ガリガリ君の中身はミックス(ガリガリ君の原材料的なもの)と氷を砕いたもの合わせて-32℃以下で冷やし固めるのですが、外側のキャンディはミックス自体を凍らせてつくります。
そのため中身と外側で一見同じ色に見えますが、じつはそれぞれで配合が違うそう。食べる際はぜひ、色味にもご注目を。
ちなみにこちらが中身の氷に使っている実際の氷の大きさ。これガリガリ君で約5000本分の製造が可能です!
ライン製造の見学を無事に終えて次の場所に移動中に、気になったことが1点。
ふと上を見ると、なにが描かれているかわからない壁の絵を発見しました。「なんだこれは…」と反対側から見てみると…
口を開けたガリガリ君が描かれているではありませんか! これにはびっくり。そのほかにもプロジェクトマッピングなど、ドキドキワクワクできる内容が盛りだくさんです。でも、「工場」ということを考えるとトリックアート的なものは少し不思議な気も…。
これにはきちんと理由があって、赤城乳業本庄千本さくら『5S』工場を知ってもらうための、(1)内部を見せる、(2)外部を観せる、(3)赤城乳業を魅せるといった、「3つのみせる」といったコンセプトによるもの。
内部の徹底した品質管理を見せることで、安心安全を体感でき、工場の外観はシルバーで水を、ブルーはガリガリ君ソーダをイメージしているなど、観るポイントがたくさん! さらに、目で見て楽しめるしかけで終始“魅せられる”工場は、赤城乳業ならではの「遊び心」に触れることができますよ。
楽しかった工場見学もいよいよ最後の「ガリガリ君広場」を残すのみ。
ここでは、ガリガリ君にまつわる夢のような体験できます。
「ガリガリ神社」ではオリジナルのおみくじを引くことが可能。じつは同行したカメラマンが超大々吉を引くというミラクルを起こし大盛りあがり! 中には6種類+シークレット1種類が入っているので、運試しにも◎。また、アイスの棒に願い事を書いてガリガリ大仏さまの口に入れて祈願できるので、こちらもお忘れなく。
目玉は「アイスの試食タイム」です。約20分間なんとアイスが食べ放題! これを目的に工場見学に来たことがある方もきっといるはず。
ガリガリ君のほかにも、大人気の「かじるバター」や「MILCREA(ミルクレア)」など種類も豊富で、過去にはなんと20分間で13本食べられた方もいたのだとか…! ショーケースの中身は日によって違うようなので、なにが食べられるかはお楽しみです。
さらに、歴代のガリガリ君のパッケージがずらりと描かれたパネルも存在。その歴史と種類には驚かされるばかり。
工場限定のプリクラやお土産も豊富。ここでしか買えない工場限定グッズも多数存在しているので、そちらも要チェックです。
楽しかった工場見学もここまで。ガリガリ君の製造工程を間近で見れたことはもちろん、工場内のワクワクしたつくりには新しい発見もあり、ドキドキしっぱなし。実際に訪れることで、赤城乳業のスゴさを感じることができますよ!
なかなか予約が取れない「本庄千本さくら『5S』工場」ですが、少し肌寒くなってきた今頃の予約は夏に比べて少し取りやすいそうなので、今が狙い目。貴重な経験になること間違いなしです。
工場見学を終えて大満足の編集Y。しかし、振り返ると「なぜガリガリ君が誕生したのか」という大切なことを伺いそびれていました…。そこで、11月4日掲載予定の記事では、知られざるガリガリ君の秘密に迫ります! こちらもぜひお見逃しなく。