昭和46年の渋谷暴動事件で、殺人など5つの罪に問われた過激派「中核派」の活動家、大坂正明被告(73)を巡り、25日に東京地裁で開かれた初公判。
地裁周辺には朝から大坂被告の支持者が姿を見せるなど、法廷外も異様な空気に包まれていた。
地裁の入り口付近では、朝から裁判所の職員ら10人以上が立ち、周囲に目を光らせていた。今月に入り、インターネット上では大坂被告の支援者によるものとみられるウェブサイトが「民衆の怒りで裁判所を包囲しよう」と呼びかけるなどしており、「不測の事態」に備えて警戒を強化したとみられる。
正門のそばでは、「大坂正明さんは無実です」と書かれたベストを着た年配の男性が通行人にビラを配る姿も。「大坂正明さん救援会」と題したA4サイズのビラには「『殺人罪』をでっち上げられました」とする主張や「改憲・戦争に反対」などの文言もみられた。
拡声器を積んだ軽ワゴン車も現れ、地裁の周囲を走行。後部座席の男性はマイクに向かって「大坂さんの不当な勾留を絶対に認めません!」などと叫んだ。
近くには耳にイヤホンを付けた公安関係者とみられるスーツ姿の男性が10人ほどおり、鋭い視線を向けていた。
正門内には傍聴券を求め、数十人以上の列ができた。大半は大坂被告と世代の近い年配で、遠方から駆け付けたのかキャリーバッグを引く男性の姿もあった。