1日午前10時半頃、仙台市青葉区芋沢の山林で、先月27日朝から栗拾いに出かけたまま行方が分からなくなっていた近くの無職男性(85)が横たわっているのを、宮城県警などの捜索隊が見つけた。
遭難から4日が経過して衰弱していたが、目立ったけがはなく、命に別条はないという。
捜索に参加した孫の男性(20)や仙台北署によると、県警や消防、親族が連日捜索し、この日も45人が二手に分かれて山へ入った。動物の鳴き声のような音を聞いた一人が名前を呼ぶと、「助けてけろ」と大きな声が返ってきた。
原付きバイクで出かけ、林道から山に入った男性が発見されたのは、バイクの場所から直線で数百メートルの地点。荷物はかごだけで、食料や水は持っていなかったとみられる。携帯電話はなく、薄手のジャンパーに長靴姿で震えていた。孫がスポーツドリンクを渡すと一気に飲み干し、「灯(あか)りの方に行ったら動けなくなった」と明かしたという。
捜索隊は木々とタオルを使った即席の担架に男性を乗せて下山。その後、市内の病院に搬送された。孫は「朝露などを飲んでしのいだのでは」と推察する。「諦めていたので本当にホッとした。退院したら携帯を契約してもらいたい」と話した。