「捨てられた物の価値が、どんどん上がっている」と話します。ゴミ置き場に現れ、物色する男。あさっているのは、燃えるゴミの袋です。男が持ち去った物から見えて来た目的を取材しました。
■マンション“集積所”で物色…通行人も気にせず
愛知県名古屋市にあるマンションのゴミ集積所。バイクから降りた男は、おもむろにゴミ袋をあさり始めました。透かして、中を確認するようなしぐさも見せています。
すると、ゴミ袋を破り、中から何かを取り出しました。男は5分ほどゴミを物色すると、いくつかのゴミ袋をバイクに乗せ、立ち去っていきました。
マンションの管理者・江崎孝徳さん:「ゴミを(袋から)出して、あさるだけあさって。そのうち、お気に入りの洋服らしきものを何点か持ち去っていた」
■“転売目的”か…「ゴミの価値が上がっている」
映像をよく見てみると、パーカらしき服や、バッグなども確認できます。一体、何が目的なのでしょうか?
マンションに設置された防犯カメラの会社は、次のように話します。
株式会社トリニティー・兼松拓也代表取締役:「転売目的で、盗んでるんじゃないかなと予想できます。今、ネットで個人間での売買が簡単にできるようになってしまって。捨てるゴミの価値というのが、昔に比べてどんどん上がってきている」
■ネットで“価値”感じる人が…簡単に見つかる
実際、フリマサイトには、本来は捨てられるような物がたくさん出品されています。
ティッシュボックスの空箱が16枚で300円、トイレットペーパーの芯は123本999円。使い道は「工作の材料」となっています。
もちろん、自分の物であれば何も問題ありませんが、他人が捨てたゴミであれば話は違います。
兼松代表取締役:「捨てる人にとって価値のない物でも、インターネットで募集をすれば、それに価値を感じる人が簡単に見つかる世の中になったと思う」
■ゴミ持ち去り…弁護士「建造物等侵入にあたる」
捨てた人にとっては、決して気持ちの良いものではない、ゴミの持ち去り。
大空・山村法律事務所 山村行弘弁護士:「条例を設けている自治体であれば、条例違反ということで罰則を受けることもあります」
条例のない地域では、どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。
山村弁護士:「マンションの敷地に勝手に入るわけですから、建造物等侵入にあたるのかなと思う」