交差点で起きた交通事故。ドライブレコーダーには、信号無視の瞬間が映っていました。めざまし8は信号無視によるこの事故で車が大破してしまった被害者に話を聞きました。
相手側の保険会社が提示してきたのは、「全額補償」ではないといいます。一体どういうことなのでしょうか。
9月26日、栃木県大田原市内を走行していた車のドライブレコーダーの映像。交差点にさしかかろうとしたその瞬間、右から直進してきた白い車と衝突。あたりは煙に包まれました。
車内に取り付けられていた360度カメラの映像には、事故直後の音声も記録されていました。「救急車呼びます?大丈夫?」と、周辺にいた人たちが運転していた男性に声をかけ安否を確かめる中…
衝突してきた運転者:何でぶつかってきたの?
運転していた社員:こっち青信号だよ
衝突してきた運転者:え?こっちが青だよ
運転していた社員:ドライブレコーダーついてるからね
ぶつかってきた車を運転していた人は自分の方が青信号だと主張。
しかし、ドライブレコーダーの映像を見てみると、正面は青信号。そして、左側は赤信号です。この状態で白い車は直進。事故が起きてしまったのです。
事故直前の映像を見てみると、横断歩道の両脇には人の姿も…。幸い、巻き込まれることはありませんでしたが、一歩間違えば、歩行者も巻き込むさらに大きな被害につながりかねない事故。
事故に遭った車は大田原市内の販売店のもので、翌日には、購入者に納車する予定でした。この日は、納車直前のテスト走行のため、自動車販売会社の社員が運転していたといいます。
Honda Cars 野崎・松本正美店長:第一印象でもう車だめかなという気はしました。部品も散乱していたし、道を塞ぐような形だったので、ちょっと一大事だなと。
連絡を受け現場に駆けつけた店長は、事故直後の映像を撮影していました。
警察:車3台ですか?
松本店長:2台。こっち被害者で、(向こうは)赤信号直進
警察:ドラレコとかついてますか?
松本店長:ついてますついてます。自分では赤信号っていう認識あるんですか?
衝突してきた運転者:いや、私じゃなかったんです。青になったなと思って出たんですけど、ぶつかったので、あれーと思って、あの…ドライブレコーダーに映ってるよって言われて
当時のまま、今も保管されている被害車両。実は相手側との話し合いはまだ進んでいません。この車を購入する予定だった男性は、めざまし8の取材に対しこう話します。
購入を予定していた男性:この車が欲しくてかなり長い間探しておりました。納車を楽しみにしておりましたが、納車前日に店長から連絡をいただき大変ショックでした。
松本店長によると、この車はファンからも人気が高いHondaの「シビック タイプR FD2」のマニュアルタイプの中古車で、車体の価格は約400万円。最新のカーナビやドラレコなどをつけた結果、販売価格は総額で約450万円だといいます。
交通事故鑑定「ラプター」所長、中島博史氏にこの映像を見てもらうと…
交通事故鑑定ラプター・中島博史所長:今回はドライブレコーダーで撮影していた車の方が青信号で交差点に進入していることが確認できます。交差点での赤信号無視で侵入した車の責任というのは非常に重くて、通常は10割、全責任がその赤信号を無視して来た車のほうにあるということから交渉が始まります
しかし、店長には“ある不安”が。
Honda Cars 野崎・松本正美店長:商品なので、商品が壊されたので、全額弁償だと思っています。ただ、保険会社から出てきた話は、時価額での補償ということで約180万円っていう金額が出されて、そこで終わっています
相手側の保険会社が店側に提示してきた額は、450万円には遠く及ばない、180万円。一体なぜ、全額が補償されないのでしょうか。
交通事故鑑定ラプター・中島博史所長:新車の場合には、一応販売価格という一定の水準を満たしているものが、一定の価格ということがあるのですけれども、中古車の場合には状態が非常に千差万別で、その統計的に求めたその車の経過年数に応じた残存価格をまとめてあるレッドブックと呼ばれるような本があります
中島氏によると、車の価値が現在いくらなのか、グレードや年式別に民間会社が調べたリストがあり、保険会社などは、こうした資料を参考に支払う保険金の額を決めているといいます。
Honda Cars 野崎・松本正美店長:誰が考えたって納車前の車をぶつけて壊しちゃって、それに対して通常は払っていただけると思いますけれども、今は判例を作る意味でも自分は弁護士入れて闘いたいと思います
(めざまし8 10月10日放送より)