2021年2月に鹿児島市内のホテルで幼児2人、福岡県飯塚市の団地で男児1人が遺体で見つかった事件で、殺人や傷害致死などの罪に問われた父親で住所不定、無職、田中涼二被告(43)に対し、福岡地裁の裁判員裁判は11日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。武林仁美裁判長は「幼い子供3人の命を奪った結果は極めて重大。将来を奪われた被害者らの無念は計り知れない」と述べた。
数千円求め「トー横」さまよう10代 群がる大人 被告は幼児2人への殺人罪は認めたが、養子の9歳男児の傷害致死罪は争う姿勢を示していた。弁護側は「(男児が)肺炎で死亡した可能性を否定できない」と反論した上で、20年12月に離婚して3人の子供を引き取っていた被告には育児のストレスなどがあったとして、懲役18年にとどまるなどと訴えていた。

判決は、男児の死因について「大腿(だいたい)部への打撲等による外傷性ショック」とした解剖医の見解を「信用できる」として傷害致死罪の成立を認めた。育児ストレスについては、被告は離婚前から児童相談所に相談しているとして「子供たちを児相に預けるなどしてストレスを軽減することは難しくなかった」と指摘した。 幼児2人の殺害は、養子への虐待死が捜査機関に露見し、2人と離れ離れになるのを嫌がった被告が無理心中を図ったと認定。「身勝手な願望に何ら罪のない実子らを巻き込み、同情の余地はない」と断罪した。 被告は2人を殺害後、ホテルから飛び降り自殺を図り、法廷には車椅子で出廷した。言い渡し後、武林裁判長は「生涯をかけて子供たちの命を奪った罪から目をそらさずに、向き合い続けてください」と説諭した。 判決によると、21年1月9日ごろから当時住んでいた飯塚市の自宅などで養子の大翔(ひろと)さん(当時9歳)に暴行し、2月16日に外傷性ショックで死亡させて遺体を自宅に放置。同26日には鹿児島市内のホテルで長男蓮翔(れんと)ちゃん(同3歳)と長女姫奈(ひな)ちゃん(同2歳)の首を絞めるなどして殺害した。【平塚雄太】
被告は幼児2人への殺人罪は認めたが、養子の9歳男児の傷害致死罪は争う姿勢を示していた。弁護側は「(男児が)肺炎で死亡した可能性を否定できない」と反論した上で、20年12月に離婚して3人の子供を引き取っていた被告には育児のストレスなどがあったとして、懲役18年にとどまるなどと訴えていた。
判決は、男児の死因について「大腿(だいたい)部への打撲等による外傷性ショック」とした解剖医の見解を「信用できる」として傷害致死罪の成立を認めた。育児ストレスについては、被告は離婚前から児童相談所に相談しているとして「子供たちを児相に預けるなどしてストレスを軽減することは難しくなかった」と指摘した。
幼児2人の殺害は、養子への虐待死が捜査機関に露見し、2人と離れ離れになるのを嫌がった被告が無理心中を図ったと認定。「身勝手な願望に何ら罪のない実子らを巻き込み、同情の余地はない」と断罪した。
被告は2人を殺害後、ホテルから飛び降り自殺を図り、法廷には車椅子で出廷した。言い渡し後、武林裁判長は「生涯をかけて子供たちの命を奪った罪から目をそらさずに、向き合い続けてください」と説諭した。
判決によると、21年1月9日ごろから当時住んでいた飯塚市の自宅などで養子の大翔(ひろと)さん(当時9歳)に暴行し、2月16日に外傷性ショックで死亡させて遺体を自宅に放置。同26日には鹿児島市内のホテルで長男蓮翔(れんと)ちゃん(同3歳)と長女姫奈(ひな)ちゃん(同2歳)の首を絞めるなどして殺害した。【平塚雄太】